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ステランティス( Stellantis NV )とミストラルAI( Mistral AI SAS
/本社:パリ )は2月7日(仏・パリ発)、自動車エンジニアリングから車内体験まで、複数分野に亘る人工知能( AI )の戦略的コラボレーションを深めていく構えだ。
今回、ステランティスと共に歩みを進めていくミストラルAIは、南フランスの強風ミストラルにちなんで名付けられ、2023年4月にGoogle DeepMindやMeta Platformsに勤務していたエンジニア達によって設立された大規模言語モデル( LLM )を専業とする人工知能( AI )スタートアップ企業。AIについては商用モデルとオープンなモデルの両方を持っていることでよく知られる同社は、本社をパリに置きつつ、米国と英国も拠点を構えるグローバル企業だ。
このパートナーシップでは、上記ミストラルAIの大規模言語モデル( LLM )をステランティスの事業全域に導入。データ分析を開発・製造の部門に活かし、顧客へのサービス製品を合理化させることで顧客とのやり取りも強化していく構えという。
そんな両社のパートナーシップに基づく最も新たな事例はドライバーにリアルタイムの会話サポートを提供する高度な車載アシスタントとなる。これは顧客満足度、製品開発、製造効率の向上を目的とした1年以上に亘る共同AI主導プロジェクトに基づいている。
同車載アシスタントはリアルタイムの音声対応ユーザー マニュアルとして機能する。ユーザーは、車両の機能、トラブルシューティング、警告インジケーターなどについて質問し、それに対して自然な会話形式で即座にガイダンスを受けることができる。
また車内アシスタント以外にも、両社はAIを活用した幾つかの取り組みを検討していく。例えば、社内で抱える複雑な構成部品をデータベース化し、それを分析・効率化させる部品表( BOM:Bill Of Materials / 部品管理 )データインテリジェンス。
提供製品に関する消費者からのフィードバックをデータ分析し、顧客からの要求傾向と、それに対する適切な是正措置を抽出して製品ライフスタイルの戦域に於いて顧客満足度を向上させる顧客サポートAI。
法人の従業員が社用車を購入・使用する際にAIを介してサポートする複数言語で最適化された世界共通のチャットボット。エッジコンピューティング技術を精緻化させ、車両の製造段階で逸早く異常の有無を調査・予測。製造エラーをリアルタイムで検出して大きな異常が発生する前段階でオペレーターが修正措置を講じられるようにする品質管理AIなど、自動車メーカーで実装可能な領域は多岐に亘る。
AIの活用についてステランティスの最高エンジニアリング & テクノロジー責任者のネッド・キュリック氏は、「AI分野には多くのプレーヤーが存在します。その中でも、迅速に適応し、高度に連携した方法で有意義な結果を生み出す優れた能力を持つ Mistral AIと提携できることになったことをとても嬉しく思います。私たちは共に協力して、複数の領域でAIの可能性を探求し、製品開発、顧客体験を向上させ、真のメリットを事業上に於いて実現していきます」と述べた。
対してミストラルAIのアーサー・メンシュCEO 兼共同創設者は、「このパートナーシップは、GenAI(ジェナイ/ 学習を下に新たなコンテンツを生成するジェネレーティブAIを指す )をより身近で価値あるものにするという当社の取り組みに於ける重要な一歩です。
それはステランティスの事業全域へAIテクノロジーを活かそうとする大胆なアプローチ手段だけでなく、高度なAIを現実世界の運転体験に統合していこうとするその姿勢にも現れており、それらは現在のモビリティを取り巻く世界を多く改革することに繫がります。ステランティスのそうした経営姿勢はAIエンジニアのモチベーションをより高めてくれるため、我々にとって理想的なパートナー企業でもあるのです」と語っている。