STマイクロエレクトロニクス(以下「ST」)は7月16日、車載用LEDドライバ「ALED6000」を発表した。
ALED6000は、シングル・ストリングのLEDを最大3Aで駆動し、4.5V~61Vの広い入力電圧範囲を備えている。STは、デイライト、ヘッドライト、テール・ライト、ストップ・ライト、ウインカーなどのエクステリア照明、およびインテリア照明に最適だとしている。
また、デジタル調光機能およびPWM制御信号の専用ピンを備えており、イネーブル・ピンと同期ピンによって、マルチデバイス・アプリケーションのノイズ低減に貢献。出力電流は、精度が3.2%以内で、電圧降下が250mV(標準値)のセンス抵抗で効率的にモニタリングされる。暗電流は、動作時2.4mA、シャットダウン時11µAときわめて低く抑えられ、さらに、VBIAS補助入力ピンと軽負荷時のパルス・スキッピング動作により、負荷範囲全体で高効率を実現する。
ALED6000に搭載されたDC-DCコンバータは、バック / バックブースト / フローティング・ブーストの各トポロジに対応しているため、電源の変動に対応しつつ、入力電圧範囲外の電圧が必要なLEDストリングにも柔軟に給電することができる。また、入力電圧が出力の設定値に近づく、もしくは下回ると、デューティ・サイクルが100%に近い低ドロップアウト・モードで動作することができる。
過電流が発生した場合は、ALED6000はパルス・バイ・パルス保護を起動して、出力電流を事前に設定された最大値に制限する。また、突入電流を制限するプログラマブル・ソフトスタート回路、および自動復帰機能を備えた過熱保護機能を搭載。出力電流の最大値とコンバータのスイッチング周波数は、いずれも外付け部品を使用して選択できるため、インダクタの最適化により高エネルギー効率、高速ダイナミック応答、小型化、低出力リップル(低ESRキャパシタを使用)を実現できる。
AEC-Q100に準拠した車載用LEDドライバ「ALED6000」は現在量産中で、HTSSOP16パッケージで提供される。単価は、1000個購入時に約2.25ドル。また、すぐに設計を開始できる評価キット「STEVAL-ILL089V1」も提供されている。