世界的な独立系総合半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスは10月26日、革新的な車載用マイクロコントローラ(マイコン)「Stellar」の詳細情報を発表した。同製品は、複数のリアルタイム・アプリケーションを高い信頼性で、確定的かつ個別に実行することができる高性能マイコンで、車載用電子機器メーカーのボッシュ社との共同開発になる。
Stellarは、卓越した演算能力を備えているのが最大の特徴。そのため、複数のソースのソフトウェアを同時かつ高い確定性で簡略化して実行すると同時に、高い安全性と性能を確保することができ、次世代コネクテッド・カーの電気電子(E/E)アーキテクチャにおけるシステム要件に対応する。
この演算能力を実現するために、Stellarには最先端のプロセッサ、仮想化を実現するハードウェア、QoS(サービス品質)の設定、ペリフェラルのファイアウォールといった機能が搭載された。また、相互接続レベルでリソースを分離して処理実行させる機能も搭載。干渉を発生させずセキュアにソフトウェア機能を区画化し、同時に複数のASIL(自動車安全性レベル)に対応させることができるため、1つのマイコンに複数のアプリケーションや仮想ECUを共存させることが可能だ。
さらにStellarには、Flashメモリと同等以上の性能を発揮する不揮発性相変化メモリPCMを搭載。高速の読出しアクセス時間と単一ビットの書き変えが実現する。また、フルサイズのメモリ更新においても、ダウンタイムのないFOTAが可能となる。柔軟性と書込みサイクルが向上しているほか、実行時に単一ビットで書き変え可能(消去が不要)であるため、ビット更新時に単一ビット・エラーがなく、メモリの寿命期間を延ばすことにより信頼性や安全性向上にも貢献するとのことだ。