CMOSイメージセンサー『IMX661』(左:カラー品、右:白黒品)
ソニーは3月9日、業界最多(ソニー調べ)有効1億2,768万画素のグローバルシャッター機能を搭載した、対角56.73mmの大型CMOSイメージセンサー『IMX661』を商品化すると発表した。
昨今、さまざまな産業機器業界において、自動化、省人化を始めとするデジタルトランスフォーメーションのニーズがますます高まっている。これに伴い、幅広い用途においてカメラの活用が加速しており、高い撮像性能を持つCMOSイメージセンサーが求められている。
この製品は、産業機器向けとして一般的であるCマウントレンズ対応の1.1型イメージセンサーの約10倍の面積となる3.6型(対角56.73mm)の大型の光学サイズによる多画素化を実現しながら、動体歪みのない撮像を可能にする独自のグローバルシャッター画素技術“Pregius™(プレジウス)”を採用。
イメージセンサーの光学サイズ(撮像面積)比較、面積比約10倍(1.1型比)
さらに、Chip on Wafer(チップ オン ウェーハ)プロセス技術を用いた独自のデバイス構造および、独自開発したエンベデッド・クロック方式の高速インターフェース規格“SLVS-EC™(Scalable Low Voltage Signaling with Embedded Clock)”により、全画素読み出しモードにおいて従来比約4倍の出力データレートとなる1億2,768万画素10bit 21.8fpsの高速読み出しを実現している。
Chip on Waferプロセス技術によるデバイス構造
これらにより、1回の撮像で動体歪みなく広い視野角を捉えられることによる高効率な撮影や、高解像度撮影による認識精度の向上、高速撮像による高い処理性能を実現している。例えば、高い生産性が求められるディスプレイや電子基板の検査工程において、検査精度の向上および検査時間の短縮が期待されるほか、広域モニタリング、空撮など、産業機器業界のさまざまな用途における課題解決に貢献するという。
■主な仕様
– 型名:IMX661(カラー/白黒)
– ユニットセルサイズ:3.45μm(H)×3.45μm(V)
– 有効画素数:13,400(H)×9,528(V) 1億2,768万画素
– イメージサイズ:対角 56.73mm(3.6型)
– アクティブエリア:46.2mm(H)×32.9mm(V)
– パッケージ:セラミックLGA
– マイクロレンズ:EPD -100mm (CRA 15.8度)
– 電源電圧:アナログ 3.3V、デジタル 1.2V、インターフェース 1.8V
– 出力:4.7Gbps/lane SLVS-EC 16/8/4レーン、891Mbps/lane SLVS 16レーン
– フレームレート: 14bit: 12.9fps、12bit: 19.6fps、10bit: 21.8fps
– 主な機能:グローバルシャッター、トリガー同期、ROI、階調圧縮、多重露出、短時間露光、画素加算読み出し
※Pregius、SLVS-ECは、ソニー株式会社の商標。