昭和電工の子会社である昭和電工パッケージングは、リチウムイオン電池(以下、LIB)の包材であるアルミラミネートフィルム「SPALF」について、車載向けなど大型用途向けに特化した新製品を開発し、量産化設備を導入することを決定した。
新設備は2021年3月に稼働開始する予定。
SPALFは、樹脂とアルミ箔をラミネートしたフィルムで、パウチ型LIBの包材として使用され、高い絶縁性や、成形性が優れるなどの特長から、世界的に高いシェアを獲得していると云う。
パウチ型LIBは、形状の自由度が高く軽量であることから、スマートフォンやタブレットなどの小型用途で広く採用されているが、近年、安全性の評価が進んでいることから、電気自動車(EV)向けをはじめとする大型用途における採用も拡大。
今回、昭和電工パッケージングは、中国に続き欧州でもEV開発が進み、パウチ型LIB包材の需要が高まっていることから、大型用途向け新製品を開発し、その量産設備を導入することを決定した。
昭和電工グループでは、SPALFをはじめ、正負極材添加剤「VGCF」 、水系バインダー樹脂「ポリゾール」といったLIB部材を扱っており、LIBの世界需要(容量ベース)を、2025年までの成長を年率30%と予想(*)。
また、Vision(目指す姿)として掲げている「個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現」のため、LIB部材製品を拡販し、先端電池材料分野での個性派事業の確立を目指すとしている。
*…同社推定。