飛行中の固定翼型無人航空機”XU-S”
新明和工業は11月5日、固定翼型無人航空機 “XU-S (Experimental Unmanned / Utility aircraft by ShinMaywa)” を用いた、佐渡空港における電波伝搬特性試験へ参画したことを発表した。
なお、佐渡空港において新明和工業が長岡技術科学大学と共に電波伝搬特性試験を行うのは、2020年に続き今回で2回目となる。
今回の試験は、長岡技術科学大学が取り組む総務省からの委託研究(SCOPE)の一環となる。前回は、”XU-S”を長岡技術科学大学に貸与する形で試験を行ったが、今回は、同大学からの委託により、新明和工業がエンジニアリング・ビジネスの一環としてとして”XU-S”を用いた飛行行為を請け負う形で参画した。
試験は、佐渡空港から離陸して加茂湖上空を周回し、今回は昨年同様の飛行経路に加え、新たに丘陵を越えた位置での周回飛行も行い、高度や障害物(=丘陵)の有無によって電波伝搬の特性がどのように変化するかを測定。また、同時に加茂湖上空から撮影した映像も提供した。
“XU-S” は、排気ガスを生じないLiPo(リチウムイオンポリマー)電池を動力源とし、長時間の滞空能力を有する点が特長の無人航空機で、広範囲かつ高度領域での観測飛行が可能。新明和工業によると、今回も、障害物の影響で電波が途切れる場面があったが、自律制御による安定した飛行を維持するとともに、高低差のある領域・経路においても信頼性の高い飛行を続け、有用なデータの取得に成功した。
“XU-S”から撮影した映像のキャプチャ