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2023年9月13日【テクノロジー】

SEMI、世界のファブ装置投資は今年の減速を経て翌年は回復へ

坂上 賢治

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SEMI(本部:米国カリフォルニア州ミルピタス)は9月12日(米国時間)、2022年に過去最高額995億ドルを記録した前工程ファブ装置の世界投資額が2023年は840億ドルへ15%減少した後、2024年に前年比15%増の970億ドルまで回復するという予測を最新のWorld Fab Forecastレポートに於いて発表した。

 

SEMIジャパンのリリースによると2023年の投資減少は、半導体需要の減衰とコンシューマ機器およびモバイル機器用のデバイスの在庫増に起因するものという。

 

2024年のファブ装置投資の回復をけん引するのは、主に2023年の半導体デバイスの在庫調整の終了およびハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、メモリの需要拡大となる。

 

 

SEMI会長兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)は、「今年初めの予測と比較して、2023年の装置投資額の落ち込みは浅く、また2024年の回復は旺盛なものとなるでしょう。このトレンドは、半導体産業が下降期を脱し堅実なチップ需要に支えられて旺盛な成長を取り戻すことを示しています」と述べた。

 

またファウンドリ部門は、2023年の投資額が490億ドル(1%増)、2024年の投資額が515億ドル(5%増)で、最先端および成熟プロセスノードへの投資が継続するため、半導体拡大をリードすると予想。

 

メモリ投資は、2023年に46%減少した後、2024年には65%増の270億ドルとなり、力強い復活を遂げるとした。

 

具体的には、DRAMは2023年に前年比19%減の110億ドルとなるものの、2024年には年率40%増の150億ドルに回復する見込み。NANDは2023年には前年比67%減の60億ドルとなるものの、2024 年には前年比 113%増の121億ドルとなる。MPUは2023年には横ばい、2024年には16%増の90億ドルとなる見込み。

 

地域別の切り口で、2024年のファブ装置投資は台湾が前年比4%増の230億ドルで世界首位を維持し、2位にはメモリ分野の回復により前年比41%の急増をする韓国が220億ドルで続く。

 

3位は中国が入る見込みで、輸出規制によって先端技術投資および外国投資が制限され、投資額は2023年を下回る200億ドルに留まることが予想される。ただそうした規制におる制約はあるものの、中国のファウンドリおよびIDMは成熟プロセスノードでの投資を継続することが見込まれる。

 

米州は、2024年の投資額が前年比23%増の140億ドルと過去最高を記録し4位を維持する。欧州/中東も来年は過去最高となる見込みで、41.5%増の80億ドルになると予測される。日本と東南アジアの2024年の投資額は、それぞれ70億ドル、30億ドルに増加するとした。

 

9月に発行された2022年から2024年をカバーするSEMI World Fab Forecastレポートは、前年比8%拡大した世界の半導体生産能力が、2023年は5%拡大することを示している。生産能力の拡大は2024年も6%増と継続する見込み。

 

この最新版レポートでは、世界の1,477のファブを収録しており、これには2023年以降に生産を開始する量産ファブが、実現性の高いものから低いものまでを入れると169件含まれている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。