ロームは10月21日、中国の正海集団(※)と、パワーモジュール事業に関する新会社設立に向けた合弁契約を、同1日に締結したと発表した。
両社は、12月に新会社の「上海海姆希科半導体/HAIMOSIC(SHANGHAI)」を中国国内に設立する予定。出資比率は、正海集団のグループ会社である上海正海半導体技術(以下、正海半導体)が80%、ロームが20%。
新会社の「上海海姆希科半導体」では、新エネルギー車のトラクションインバータ等に適したパワーモジュールの事業展開を目的に、シリコンカーバイド(SiC:炭化ケイ素/以下、SiC)パワーデバイスを用いたパワーモジュールの開発、設計、製造、販売に係る合資事業を展開。正海集団グループ会社のインバータ技術と、両社のモジュール技術、およびロームの最先端SiCチップを融合した高効率なパワーモジュールを開発していくと云う。
なお、新会社が開発するモジュール製品は、既に電動車への採用も予定されていることから、同社は2022年より量産を開始する。
ロームと正海集団は、新会社と密接に連携し、SiCパワーモジュールの開発・普及を通じて、更なる技術革新に寄与していくとしている。
※正海グループは1990年に創立された山東省の重点企業集団。シャドウマスク製造に始まり、レアアースの永久磁石、再生医学、自動車内装、電子情報など、現在は、製造業を主体に多様な事業を所有。グループには10数社の子会社がある。
[各社代表者のコメント]
正海集団 董事長 秘波海 氏
「ロームは尊敬できるSiCデバイスのリーディングカンパニーです。ロームと正海グループが合弁会社を設立してSiCパワーモジュール事業を展開することは、必ずパワーモジュール市場に新しい変化をもたらします。
30年以上の発展を通じて、正海グループはレアアースの永久磁石、再生医学、自動車内装、電子情報など多くの業界で豊富な産業化経験を蓄積しました。正海グループはパワーモジュール事業をグループの戦略的な事業に決め、資金、人材の面で最大の支持を与えます。
ロームの先進的なパワーデバイス技術と正海の産業化能力を合わせ、合弁会社はきっと中国のパワーモジュール業界の発展に貢献できると信じています」。
ローム 代表取締役社長 松本功 氏
「中国において幅広い事業を展開する正海集団と合弁会社を設立できることを大変光栄に思います。ロームはSiCパワーデバイスのリーディングカンパニーとして、世界最先端のデバイス開発や周辺部品とあわせたパワーソリューション提供を行ってまいりました。
新会社でのパワーモジュール開発は、中国で勢いを増す新エネルギー車へのSiCパワーデバイス搭載を後押しし、その他の応用研究にも重要な役割を果たしてくれることでしょう。正海集団と新会社での事業を通じ、両社のさらなる発展・進化を目指してまいります」。
[新会社の概要]
– 名称:上海海姆希科半導体有限公司
英語表記:HAIMOSIC(SHANGHAI)CO.,LTD.
– 設立予定日:2021年12月
– 本社所在地:上海市閔行区
– 事業内容:パワーモジュールの開発、設計、製造、販売
– 出資比率:正海半導体(正海集団の100%子会社)80%、ローム20%
– 従業員数:120名
■正海グループ:http://www.zhenghai.com/