ロームは6月8日、自動車向けの「機能安全」に対応した製品を「ComfySILTM(コンフィシル/※1)」ブランドとし、それら製品を集約した特設サイトを開設したことを発表した。特設サイトでは、製品および各種ドキュメントの検索性を向上。自動車分野の電子回路設計者やシステム設計者の作業効率改善に貢献すると云う。
近年、ADAS(先進運転支援システム)に代表される技術革新の加速と共に、自動車分野では、事故の未然防止に寄与する「機能安全」への対応が求められている。
また、2018年12月に改訂された機能安全の国際規格「ISO 26262 2nd Edition」において、半導体パートが追加されるなど、車載電装機器のデバイスレベルでの安全要求達成は、自動車の安全性を担保する上で重要になっている。
ロームでは、これらニーズにいち早く対応し、2018年3月にはドイツの第3者認証機関であるTÜV RheinlandからISO 26262の開発プロセス認証を取得。「機能安全」の設計に必要となる各種ドキュメントを取り揃えた対応製品を順次拡充し、そのラインアップは現在、1000品番を超えるまでとなった。
そして今回、ロームは、これら「機能安全」対応製品を集約した特設サイトを開設すると共に、対応製品に「ComfySILTM (コンフィシル)」のブランド名を冠してWebや各種ドキュメントに表示することで、製品の検索性を大幅に向上。このブランドでは、自動車のみならず産業機器の「機能安全」対応製品も対象とし、今後、産業機器向け「機能安全」対応製品のラインアップも拡充していくと云う。
<機能安全カテゴリと提供可能なドキュメント>
ロームの機能安全製品カテゴリは以下の3種類(現在は、自動車分野のみに対応)。
・FS process compliant
記載したASILレベルに準拠したISO 26262対応プロセスで開発したLSIであることを示す。
・FS mechanism implemented
記載しているASILレベルに必要な安全機構を搭載したLSIであることを示す。
・FS supportive
車載向けに開発したLSIで、機能安全に関する安全分析のサポートをすることが可能であることを示す。
【提供資料一覧】
*FS supportiveのFMEDAにはハードウェアアーキテクチャメトリック等の分析は含まれない。
ロームは、自動車や産業機器において半導体の役割が益々高まる中、今後も高品質な製品づくりに努めると共に、製品を通じて安心・安全で環境にやさしい自動車社会の創造に貢献していくとしている。
※機能安全設計者が“Comfy(快適)”に、“SIL(Safety Integrity Level: 安全水準)対応製品”を使うことができるように。また、“ロームが製品によって社会システムの安全・安心・快適に貢献できるように”という想いから、立ち上げたブランド。自動車分野のみならず産業機器分野の機能安全も視野に、機能安全に向けたComfySILTMの思想に準ずる製品に与えられるもの。
[ロームの自動車向け製品に対する取り組み]
ロームは、創業以来「品質第一」の企業目的の下、開発から製造までを一貫してグループ内で行う「垂直統合」システムを採用。あらゆる工程で高い品質を作りこみ、確実なトレーサビリティの実現やサプライチェーンの最適化を図ってきた。
自動車向け製品においても、車載専用ラインを構築し、品質マネジメントシステム「IATF 16949」や電子部品の信頼性規格「AEC-Q100・101・200」に準拠した製品開発を進め、2015年には「機能安全」に対応すべく、ISO 26262のプロセス構築を開始。また、2018年3月にはドイツの第3者認証機関であるTÜV RheinlandからISO 26262の開発プロセス認証を取得した。
■(ローム)ComfySILTM 特設サイト:https://www.rohm.co.jp/functional-safety