ロームは7月14日、新たな事業モデル創出を加速させる取り組みとして、スタートアップ企業を対象にしたコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)活動を開始し、総額50億円の投資枠を新設したと発表した。
CVC活動全般は、今年1月に新設したCTO室が担い、スタートアップ企業が持つ柔軟な発想やテクノロジーへの投資により、社会課題の解決や10年先の成長の種となる新規事業の創出を目指す。
ロームではこれまで、ベンチャー企業との協業・業務提携のほか、大学を対象にした研究公募や共同研究に積極的に取り組み、半導体関連技術の進化と発展に努めてきたが、今回のCVC活動開始により、社内外の技術や知恵を融合するオープンイノベーション活動を更に加速。加えて、中長期的なポートフォリオ拡大に向け、広範かつ多岐にわたる領域への有用な投資を実施していく。
なおこれは、同社が今年度より取り組んでいる中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」の成長戦略の一つである「将来に向けた新たな成長事業の構築」を補完するものでもあると云う。
ロームは、自由度が高く迅速な判断を可能にする自社単独による自己勘定投資(※1)を基本としながら、VCファンドへのLP投資(※2)を補完的に併用することで、有望なスタートアップ企業へ広くアプロ―チし、社会に役立つ価値の創造に邁進していくとしている。
<主な投資対象>
・事業強化:
半導体材料、半導体製造技術、半導体周辺技術(接合、パッケージ 等)、組み込みアルゴリズム他
・事業領域拡大:
車載・産業機器等のローム注力市場における新たな製品・技術、サービスを提供するスタートアップ
・新領域開拓:
環境ビジネス分野 (脱炭素、温室効果ガス削減 等) 他
<運用期間>
10年間(予定)
※1)自己勘定投資:VCを通さず、自社の本体勘定で自ら選んだ投資先へ直接投資を行う投資形態。直接フォローアップを行うため、協業・提携の機会取得やノウハウの蓄積が期待できる。枠組みに制約が無いため複数のVCとの協業も可能。
※2)LP投資:Limited Partner(有限責任組合員)として、他の投資家と共同でVCファンドへ投資を行う投資形態。ファンド規模が大きくなり実績が上がりやすいほか、少額出資ができるため分散投資に有効とされる。