ロームは、自動車のカーナビやセンターインフォメーションディスプレイ、クラスターパネル向けの液晶バックライト用LEDドライバIC「BD81A76EFV-M」を開発した。
BD81A76EFV-Mは、12inchクラスの液晶パネルに対応可能な6チャネル出力(120mA/ch)の車載液晶バックライト用LEDドライバICで、従来の4チャネル出力品が8inchクラスの液晶パネルアプリケーションまでしか対応できなかったのに対して、同製品はより大きな10~12inchクラスのアプリケーションへの対応が可能。
同時に、幅広い数のLEDを駆動できるローム独自の昇降圧制御を搭載しているため、最先端12inchクラスの大型液晶だけでなく小型液晶まで1つのLEDドライバで対応することができる。
これらにより、モデル展開を考えた液晶パネル制御基板の設計共通化(プラットフォーム化)にも貢献する。
なお、同製品は7月からサンプル出荷(サンプル価格 800円/個:税抜)を行っており、10月から当面月産10万個の体制で量産を開始する予定。
生産拠点は前工程、後工程ともにROHM Electronics Philippines(フィリピン)となる。
<新製品の特長>
1. ローム独自の昇降圧制御で、小型から大型パネルまで1製品で対応可能
「BD81A76EFV-M」は、液晶パネルアプリケーションに対して柔軟性を持たせるために、ローム独自の昇降圧制御を採用。
例えば6チャネル出力のLEDドライバで比較する場合、昇圧制御のみを採用した一般品では、6ch×6~10灯(36個以上60個程度までのLED)なければ駆動できないのに対して、新製品は6ch×1~10灯(6個以上60個程度までのLED)に対応することが可能。
このため、大型液晶パネルへの対応から、中・小型の液晶パネルまで、1つのLEDドライバで幅広く対応。モデル展開を考えた液晶パネル制御基板の設計共通化(プラットフォーム化)に貢献する。
2. 6チャネル出力で、12inchクラスの最先端大型液晶パネルに対応
低発熱の定電流ドライバを搭載したことで業界トップクラスのLED電流出力6チャネル化(120mA/ch)を実現。
一般的な4チャネル出力品が、8inchクラスの液晶パネルアプリケーションまでしか対応できなかったのに対して、本製品はより大きな10~12inchクラスのアプリケーションに対応できる。
また、LEDの調光比も独自のPWM調光技術(特許出願 2018-169705)により、センターインフォメーションディスプレイやクラスターパネルに対応可能な10,000:1(@100Hz)を実現。
自動車の液晶パネルアプリケーションにおいて、さらなる視認性やデザイン性向上に貢献する。
3. スタンバイ電流10µAで、アプリケーションの低消費電力化に貢献
アナログ設計技術とプロセス技術を駆使することで、スタンバイ電流10µAを実現。
機能同等品がおよそ40µAであるのに対して、3分の1以下を達成したことで、液晶パネルアプリケーションのさらなる省電力化に貢献する。
4. スペクトラム拡散機能搭載で、高信頼の低ノイズ動作を実現
国際的な車載信頼性規格「AEC-Q100」に対応するほか、電磁妨害(Electromagnetic Interference: 以下EMI)ノイズ対策用のスペクトラム拡散機能を搭載。
自動車分野のノイズに対する国際規範「CISPR25」をクリアする低EMI達成。ノイズが気になる車載システムの安定動作に貢献する。
<アプリケーション例>
カーナビ、センターインフォメーションディスプレイ(CID)、クラスターパネル、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、電子ミラー、中小型LCDパネルなど、自動車に採用される12inchクラスの液晶パネル用バックライトLED駆動品。
<ラインアップ>
[問い合わせ先]
■(ローム)問い合わせフォーム:https://www.rohm.co.jp/contactus