半導体・電子部品メーカーのロームは、6月26日、ADAS(先進運転支援システム)のセンサやカメラ、レーダーなど、小型化と省電力化、高信頼性を必要とする自動車の安全運転支援モジュールに向けた、小型・高効率の車載IC「BD9Sシリーズ」を開発したと発表した。
これは、自動車の事故防止対策や自動運転化等が進む最近の潮流により、近年ますます求められている車載モジュールの搭載数増加や小型化の要求に対応したもの。
それらに電力を供給する電源ICにおいても、LDOと比較して高効率かつ大電流供給が可能なDC/DCコンバータの採用が進むなかで、小型・省スペース化、シリーズ展開や外付け部品点数削減による扱いやすさが求められている。
そんな中、一貫生産体制で長年培ってきた同社の設計・製造技術を駆使し開発した電源IC(車載セカンダリ降圧DC/DCコンバータ)が、「BD9Sシリーズ」だ。
まず、安全運転支援モジュールの小型化、省電力化への対応として、業界最小クラスの2mm角と3mm角の製品を用意。0.6Aから最大4.0Aまでの幅広い出力電流対応品をラインアップし、急なシステム変更やモデル最適化等に貢献する。
また、高効率動作では、業界トップクラス(入力電圧3.6V、出力電圧1.8V時90%)の電力変換効率を達成。
周波数固定の電流モード制御で2.2MHz高周波動作を行うため、AMラジオ帯域不干渉と周辺部品の小型化も図るなどで、業界トップクラスの性能を実現している。
また、システムの安全性向上に向けた機能も採用。出力電圧監視機能と起動時立ち上がり時間調整機能(シーケンス制御)により、多用なマイコンやシステムと柔軟に情報共有することで、システムのさらなる高信頼化に貢献する。
なお、同シリーズは、2018年5月から月産50万個の体制で量産(サンプル価格300円/個:税抜)を開始。生産拠点は前工程がローム浜松、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となっている。