東京海上日動火災保険は12月7日、ドライブレコーダーで取得した交通事故の映像を用いて、救急や病院にドクターヘリの出動要請通報をする画像活用型救急自動通報システム「第2種 D-Call Net」の仕組みを構築すると発表した。
「第2種 D-Call Net」では、自動車事故が発生した際、ドライブレコーダーが強い衝撃を検知すると事故受付センター(プレミア・エイド)のオペレーターへ自動で発報し、同時に事故の瞬間の映像も送信。オペレーターは事故映像から、重篤な事故と判断するための所定の基準(例:自動車の横転や歩行者・自転車の頭部衝突等)に該当するかを確認し、該当する場合には救急や病院にドクターヘリの出動要請通報を行う。
2018年、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(以下「HEM-Net」)が、自動車メーカーやコールセンター機能を担う接続機関と共同で「第1種 D-Call Net」を立ち上げている。このシステムは、コネクティッドカーに搭載されたEDR(イベントデータレコーダー)と呼ばれる装置から送られるデータを用いて、事故が起きた際にオペレーターへ自動で発報する先進事故自動通報システム(AACN)を利用し、必要に応じてドクターヘリの出動要請に関する通報を行う。
コネクティッドカーに搭載されたEDRを活用する「第1種 D-Call Net」が利用できる車両は国内乗用車約6,200万台のうち約300万台(2021年9月時点)であったが、第2種 D-Call Netが導入された場合、国内の乗用車などのほぼ全てが対象車両(二輪自動車や原動機付自転車を除く)となり、普及の促進が見込まれる。
今後、東京海上日動火災保険、HEM-Netとプレミア・エイドの3者は、ドクターヘリの出動要請を通報する基準の策定やオペレーションの構築、システム開発等を進め、病院と連携する試験運用(22年4月~)を経て2023年度中の導入を目指す。販売中のドライブレコーダー付き自動車保険「ドライブエージェント パーソナル」「法人ドライブエージェント」における緊急通報サービスの中で提供する予定だとしている。