NEXT MOBILITY

MENU

2021年3月21日【トピックス】

ルネサス、茨城の半導体工場火災で会見

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ルネサス・HP

 

 

ルネサス・エレクトロニクスは3月21日、生産子会社であるルネサス・セミコンダクタ・マニュファクチュアリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)のN3棟一部工程で3月19日に発生した火災についての会見を行い、経緯や原因、今後の見通しなどを説明した。

ルネサス・ロゴ

火災の概要と被害状況

 

火災は、3月19日の午前2時47分、那珂工場のN3棟(300㎜ライン)の一部工程で発生し、同午前8時12分頃に鎮火された。翌3月20日には、警察および消防による現場検証が行われ、出火元は、N3棟1階のめっき装置と特定された。

 

出火元となっためっき装置の筐体およびめっき槽は、熱への強度が相対的に低かったため、過電流発生により発火に至った。但し、過電流の発生原因や発火に至った経緯については、現在調査中。この火災による人的被害および工場建屋への被害はなかったが、純水供給装置や空調装置など一部用役設備および、一部製造装置に被害が出た。

 

具体的には、N3棟1階のクリーンルーム12,000㎡のうち約5%に相当する600㎡が焼損したほか、N3棟の全製造装置のうち約2%に相当する11台が焼損した。なお、仕掛品の被害状況については、現時点で不明。今後約1週間をかけて確認するとしている。

 

生産・出荷の状況

 

那珂工場では現在、N2棟(200㎜ライン)とWT棟(ウェハテストライン)を稼働し、製品出荷を継続しているが、N3棟での生産は停止。今後、N3棟については、取引先や製造装置メーカーなど関係各社の協力を得ながら、クリーンルーム内の清掃や焼損装置調達などを進め、1か月以内の生産再開を目指す。なお、N3棟の2階部分への火災の影響はないが、1階と一体運営をしているため、同棟での生産品目の生産・出荷は不可とのこと。

 

代替生産の予定

 

N3棟の生産品のうち約2/3は、技術的には自社工場やファウンドリでの代替生産も可能ではあるが、昨今の半導体需給の逼迫状況から、全てを即時に代替生産することは難しい。可能な限り早く、また、少しでも多くの製品で代替生産を進められるよう検討する。

 

業績への影響

 

N3棟が生産を停止することによる売上影響は、月当たり約170億円。詳細については現在精査中のため、判明次第告知する。ルネサス・エレクトロニクスは、引き続き、消防、警察をはじめとした関係当局と協力し、徹底した原因究明を行い、再発防止に取り組んでいくとしている。

 

 

[会見の概要]

 

– 会見日時:3月21日(日)午後2時~3時
– 会見出席者:

・ルネサス エレクトロニクス代表取締役社長兼CEO 柴田 英利
・ルネサス エレクトロニクス執行役員常務兼生産本部長 野崎 雅彦
・ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング代表取締役社長 小澤 英彦

 

 

■ルネサス・エレクトロニクス:https://www.renesas.com/us/ja

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。