ルネサス エレクトロニクスは6月29日、インドおよび新興市場向けのエレクトロニクスの進化を加速するため、半導体ソリューションの設計・開発・製造に於いて、インドのTata(タタ)グループ企業の「Tata Motors(タタ・モーターズ:以下、TML/本社:ムンバイ)」および「Tejas Networks(テジャス・ネットワークス:以下、Tejas/本社:ベンガルール)と、戦略的な提携関係を結んだと発表した。
今回の提携は、今年3月「Tata Elxsi(タタ・エレクシー/本社:ベンガルール)」との次世代EVイノベーションセンタ(NEVIC)設立を発表するなど、長年に亘って築いてきたルネサスとTataグループとの技術・ビジネスパートナーとしての関係性を発展させるものであると云う。
ルネサスは、TMLとの協業を通じて、今後ドメイン型から中央集権型やゾーン型のE/E(電気/電子)アーキテクチャへの進化が予想される、自動車システムの設計に於いて、次世代車載エレクトロニクスの開発で協力。クルマのパフォーマンス改善やスケーラビリティの確保を進めると共に、ADASなどの新技術開発に関する非独占的な協力関係を結び、顧客の要望に効率的・効果的に対応していくと云う。
また、Tejasとの協業では、次世代無線ネットワークソリューションの実現に向けて、4Gと5G、そしてオープンな無線アクセスネットワーク(O-RAN)に至る、通信ネットワークで使用される無線ユニット(RU)向け半導体ソリューションを設計・開発し、相互運用性を向上させると共に、オープンで柔軟な5G RANを展開。先ずは、インド向けに製品・ソリューションを展開し、その後、世界市場への展開を目指す。
ルネサスではさらに、Tataグループ企業の「Tata Consultancy Services(タタ・コンサルタンシー・サービシズ:以下、TCS/本社:インド・ムンバイ)とも提携し、インド・ベンガルールにシステムソリューション共同開発センターを設立。ルネサスの半導体ソリューションとTCSの業界経験を活用し、IoT、インフラ、産業、自動車分野向けに包括的なシステムソリューション開発に注力していく。
この戦略的提携に際し、Tataグループの持株会社であるTata Sons(タタ・サンズ)会長のNatarajan Chandrasekaran氏は、次のように述べている。
「車載エレクトロニクスや現在・未来の通信ネットワークなどの分野で、ルネサスと協業することに大きな可能性を感じています。本提携により、これらの分野において、インドだけでなくグローバルでTataグループのプレゼンスが強化されます」。
また、ルネサスの代表取締役社長兼CEOの柴田英利氏は、次のように述べている。
「今回Tataと提携関係を結ぶことで、業界をリードする両社がより緊密に連携でき、大きなメリットを生み出します。ルネサスとTataは、インドおよび新興市場向けのエレクトロニクスを進化させ、多様なアプリケーションの進歩も加速し、継続的な成長を目指してまいります」。
■Tata Motors(英語):https://www.tatamotors.com/
■Tejas Networks(英語):https://www.tejasnetworks.com/