ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)と米カリフォルニア州のSiFiveは4月21日、車載アプリケーション用の次世代ハイエンドRISC-Vソリューションを共同開発するために、戦略的パートナシップを締結したと発表した。今回の提携により、SiFiveの持つRISC-VコアIPポートフォリオがルネサスにライセンス供与される。
締結に関し、ルネサスの執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部長である片岡健氏は次のように述べている。
「RISC-Vは、ルネサスの現在と将来の新たなお客様にさらなる可能性や選択肢を提供するために重要だと考えます。私たちはSiFiveのリードパートナとして、ルネサスが長年培ってきた自動車分野に関する専門知識とSiFiveのハイエンドRISC-V技術とを組み合わせて、次世代の半導体ソリューションを開発できることを大変嬉しく思います」
また、SiFiveのChairman兼CEOであるPatrick Little氏は以下のように述べた。
「私たちはルネサスと協力して、SiFiveのインテリジェンスプラットフォームを活用して次世代の自動車ソリューションを開発できることを嬉しく思います。当社の先進的で高性能なRISC-VプロセッサコアとAIアクセラレータのロードマップは、車載アプリケーションの要件を満たすために必要な性能を備え、コアの性能を大幅に向上させるとともに、スケーラブルでワークロードを加速するソリューションを実現するためのAI機能を提供します」
ルネサスは、業界をリードするマイコンをはじめ、SoCやアナログ、パワーの幅広い製品ポートフォリオを活かして、ADASや自動運転システム、EV、コネクテッドゲートウェイなどに向けた車載ソリューションを世界中のクライアントに提供してきた。ルネサスでは、さらなるハイエンドSoCやMCU開発の可能性を広げるために、車載用に最適化した次世代の高性能RISC-Vコアの検討を開始したとのことだ。
AI ISA拡張機能を備えたSiFive RISC-V VectorプロセッサをベースにしたSiFive Intelligenceプラットフォームは、AIやMLアプリケーション向けのスケーラブルなソリューションの開発を可能にするソフトウェアツールチェーンを特徴としている。SiFive RISC-Vプロセッサには、業界ツールと互換性のある高度なトレース、デバッグ、およびセキュリティソリューションがあらかじめ統合されており、異機種間の統合や移行を簡素化できる。SiFive RISC-Vポートフォリオは、シリコン実証済みで、大手の先進的なファウンダリで生産できるため、顧客やパートナにも柔軟に対応できるとしている。