マツダは6月3日、国土交通省からの〝型式指定申請に於ける不正行為の有無等に係る実態調査(国自審第2018号)指示(1月26日)〟を受けて、調査対象期間(*1)に於ける全ての型式指定申請2,403試験を対象に調査を行った結果、2つの試験項目、計5試験で不正が確認されたことを公表した(5月30日に同省に報告)。
今回判明した不正の対象となるのは、現行生産車2車種と過去生産車3車種で、生産実績としては15万878台、販売実績としては14万9313台に及ぶと云う。
マツダは、今回の不正事案を重要な問題と捉えており、このような事案が今後発生することのないよう経営の責任に於いて再発防止に努めていくとしている。
1.不正の概要
(1)過去生産車3車種:衝突試験に於ける試験車両の不正加工
前面衝突時の乗員保護に対する認証試験に於いて、エアバッグを車載センサーの衝突検知による自然起爆ではなく、外部装置を用いて時間指定で起爆させた試験実績があった。
(2)現行生産車2車種:出力試験に於けるエンジン制御ソフトの書換え
ガソリンエンジンの原動機車載出力に対する認証試験に於いて、量産車両と同一状態のエンジン制御ソフトにより出力試験を行うべきところ、点火時期補正機能の一部を停止させた制御ソフトによる試験実績があった。
2.該当車両および使用者への影響
・今回の調査結果を踏まえ、現在生産を継続している該当車種(上記(2)の2車種)の出荷を5月30日より一旦停止した。なお、上記(2)の試験については、安全性に関連するものではないため、使用の継続に当たって、安全性の問題はない。また対象車種については、今後、速やかに量産車と同じ状態で再試験を行い、改めて型式指定について当局の審査を受ける準備を進めていく。
・上記(1)の車両については、既に生産を終了しているが、社内で技術検証および再試験を行い、前面衝突時の乗員保護性能について法規で定められた基準を満たす性能を有していることを確認。使用の継続に当たって、安全性の問題はない。また今後、速やかに法規適合性の確認などの適切な対応を国交省と相談しながら進めていく。
3.不正の原因
(1)試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチェックする仕組み、およびガバナンス体制の整備不足。
(2)認証法規に準拠した試験を実施するための手順の不備。
(3)認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備不足。
4.再発防止策
(1)試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチェックする仕組み、およびガバナンス体制の再整備。
(2)認証法規に準拠した試験を適正に実施するための手順書の見直し・教育・実践の徹底。
(3)認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備強化。
*1:2014(平成26)年1月から2024(令和6)年1月の10年間。
*2:2024年3月末時点の累計対象台数。
<対象車種型式一覧>
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