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2023年7月24日【テクノロジー】

プロテリアル、試作のフェライト磁石モーターで高出力を実現

NEXT MOBILITY編集部

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フェライト磁石を搭載したローター。

 

プロテリアル (旧:日立金属)は7月24日、シミュレーションにてネオジム磁石モーターと同等の出力が得られることを確認していた(昨年12月公表)、電気自動車(xEV)駆動用“フェライト磁石モーター”について、実機を試作して評価をした結果、xEVに適用可能な100kWを超える出力が得られることを確認したと発表した。プロテリアル・ロゴ背景

脱炭素社会実現のため、自動車生産台数に占めるxEVの比率は、今後さらに高まることが見込まれており、これに伴いxEVの駆動モーターや発電機に使用されるネオジム磁石の生産量拡大が見込まれている。

 

一方、ネオジム磁石はレアアースの内、軽希土類に分類されるネオジムのほか、特に資源量が限られる重希土類のジスプロシウムやテルビウムなどが使用されることから、需要の拡大に伴う、資源リスクが高まることが懸念されていると云う。

 

こうした中、プロテリアル・グローバル技術革新センター(GRIT)では、xEV用駆動モーターにフェライト磁石が適用できることをシミュレーションで確認し、昨年12月に公表。この発表は、国内外から非常に大きな反響を呼び、実機での検証を望む声が多く寄せられていたと云う。

 

 

概要

プロテリアルでは、xEV駆動用のネオジム磁石モーターを比較基準としたシミュレーション結果(表参照)に基づいて設計・製作した自社の高性能フェライト磁石である「NMF-15」を素材としたローター(タイトル写真)を用いたモーターを試作し、性能評価を実施。

 

その結果、シミュレーション結果よりは僅に劣るものの、これから主流になっていくことが予想されるBEVやPHEVの駆動モーターに適用可能な、100kWを超える出力が得られることを確認。フェライト磁石はネオジム磁石よりも電気抵抗が高いことから、モーター高速回転時の渦電流損失抑制にも寄与すると云う。

 

 

プロテリアルは、今後、シミュレーション結果と実機試験結果の差異を検証し、さらなるモーター性能向上の可能性を検討。資源リスクの軽減やコストの抑制といった顧客の課題を解決するため、今回の実機試験の結果を示しながら、これまでネオジム磁石が採用されてきた各種用途の代替品の一つとしてフェライト磁石の活用を提案していくとしている。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。