ポルシェAGは4月30日、ドイツのツッフェンハウゼンの主力工場とライプツィヒの拠点で生産準備を進め、5月4日(月)から全従業員が順次作業を再開し、生産を段階的にフル稼働まで増やすと発表した。
ポルシェは、3月21日からの2週間、2つの工場の生産を停止し、状況を継続的に再評価すると発表し、その後、グローバルサプライチェーンの障害等により、工場を合計6週間閉鎖した。
そして今回、工場を再開するにあたり、ポルシェでは、従業員の確実な保護を最重要視しつつ、迅速かつ効率的な生産を再開することを目的に、ツッフェンハウゼンとライプツィヒのポルシェ生産拠点のための包括的な対策概要を決定。そこでは、生産担当の従業員は約2メートルの最小距離を守りながら基本的な行動規則に従い、規定された領域内でマスクを着用する必要があることなどが規定されている。
また、労使協議会と健康管理部門の間では、生産、物流、調達における適合プロセスについて、既に合意されており、各当局の要件も遵守。さらに、これまで実施してきた間接領域におけるモバイルワーキングの継続や、ビデオ/電話会議の実施、出張の禁止も引き続き適用する。
なお、ポルシェでは、医療機関や医療関係者の防護服関連装備を最優先事項とし、「ポルシェ ヘルプ」を主導。この一環として病院への装備の提供と寄付、フードバンクへの食料提供も行っており、寄付の予算を500万ユーロ増額している。
今回の生産再開を受けて、ポルシェAGの生産およびロジスティック担当取締役のアルブレヒト・ライモルド氏は、以下のように話している。
「生産再開は、従業員にとってもお客様にとっても重要なメッセージとなります。当社は、当初から状況を非常に注意深く監視、分析し、プロセスを柔軟に適合させてきました。特別な注意を払いながら、将来に楽観的な目を向けて仕事を再開するには、今が適切な時期です」。
また、ポルシェAG取締役会会長のオリバー・ブルーメ氏は、以下のように話している。
「経済および社会体制を再び動かすには多大な努力が必要です。誰もがこれに貢献する必要があり、前向きな基本的姿勢を持つことが重要です。あらゆる危機は機会も提供します。私達はそれを最大限に活用したいと考えています」。