レーシングカーは、大きな衝撃、振動、極端な温度に耐える技術を必要とするため、半導体デバイスの効率性が高いほど、無駄な熱に浪費される電力が少なくなり、燃費が向上し、エネルギー1ワットあたりの走行距離が伸びる。
同時に、技術者は重量とスペースを節約するために、車載部品の小型化も目指すことになる。
オン・セミコンダクターのパワー製品およびソリューションには、IGBT、高電圧ゲートドライバ、スーパージャンクション整流器、高電圧MOSFET、高電圧DC-DCに加え、次世代の電気自動車で使用できるシリコンカーバイド(炭化ケイ素、SiC)および窒化ガリウム(ガリウムナイトライド、GaN)といったワイドバンドギャップ(wide band gap、WBG)の開発等もある。
そして、これらの技術がEVにおける充電1回あたりの走行距離を伸ばし、バッテリーの充電時間を短縮、熱管理を改善する等の効果を生む。
そういった意味で、メルセデスのレーシングチームとのコラボレーションが、今後同社のEV向け半導体デバイス等の進化にどう影響してくるのか興味深い。
ちなみに、ドイツ・ミュンヘンで開催される今年のElectronica 2018(11月13日〜11月16日・独ミュンヘン)において、オン・セミコンダクターのブース(ホールC4、ブース101)にて、メルセデスEQフォーミュラEチームのコンセプトカーが展示される予定だ。