パナソニックエナジーは7月14日、カンザス州への投資誘致補助金制度「Attracting Powerful Economic Expansion(APEX/※)」への申請が、同州から承認されたことを発表した。同社は、この合意に基づき、パナソニックホールディングスの取締役会の承認を経て、車載用リチウムイオン電池の製造工場をカンザス州に建設する予定。
電池のセル技術や事業展開で約100年の歴史を有するパナソニックエナジーは、自動車の電動化移行に伴い、さらなる車載電池の生産拡大を予定。最大4,000人の新規雇用と約40億米ドルの投資創出が期待される、車載用リチウムイオン電池の製造工場建設候補地として、カンザス州デソトを挙げ、同州の“APEX”に申請した。
“APEX”は、カンザス州が州内への投資を誘致するため、特定事業領域に総額10億米ドル以上の投資をすることに同意した適性ある企業に対し適用される補助金(インセンティブ)制度で、今回、同社の申請が、カンザス州から承認された。
パナソニックグループは、5年前、ネバダ州スパークスの“Panasonic Energy of North America(PENA)”で、リチウムイオン電池の生産を開始。車載電池セルの出荷数60億個を突破するなど、世界最大級のリチウムイオン電池工場にまで成長。PENAでの生産は、カンザスの工場設立後も、引き続き続けていくと云う。
パナソニックエナジーは、カンザス州で検討されている新工場について、米国のEV産業の発展に対する同社の長期的なコミットメントを表すものであるとしている。
[関係各者コメント]
・カンザス州 ローラ・ケリー知事
「このプロジェクトはカンザス州の経済に変革をもたらし、質の高いハイテク人材の雇用機会を提供すると同時に、より持続可能な未来を築く新しい産業をもたらします。これはカンザス州にとって重要なマイルストーンであり、経済成長と発展の原動力となるに違いありません」。
・パナソニックエナジー 社長執行役員 只信一生氏
「自動車業界での電動化が進む中、その需要に対応するために米国での車載電池生産を拡大することは非常に重要です。当社の優れた技術と豊富な経験により、今後もリチウムイオン電池業界の成長を牽引し、将来的なゼロエミッションの実現に向けた取り組みを加速してまいります」。
・パナソニック エナジー副社長執行役員 モビリティエナジー事業部長 高本泰明氏
「カンザス州は、スキルの高い製造業の本拠地として素晴らしい歴史を有しています。カンザス州のサステナビリティへの献身的な取り組み、クリーンエネルギーや再生可能エネルギー分野に向けた決意とその成長性を高く評価しています」。
■パナソニックエナジー:https://www.panasonic.com/jp/energy/