パナソニック・オートモーティブ社の小型コンバイナタイプHUD(Head Up Display)が、スズキの小型乗用車、新型「ソリオ」「ソリオバンディット」(12月4日発売)に搭載された。
HUDは、運転中のドライバーの前方視界に、車速などの情報を表示することで、視線移動や焦点調節を減らし、安全運転に貢献するシステム。コンバイナタイプは、フロントガラスに情報を投影するウインドシールド(WS)タイプに対し、半透明の小型パネル(コンバイナ)に情報を表示する方式のHUDで、共通ユニットによる車両展開搭載が可能なため、高価な特殊WSガラスを使用せずに済むなど、汎用性に優れる。
パナソニックでは、2017年2月からスズキに業界初の軽自動車向けコンバイナタイプHUDを納入してきたが、新製品では、デジタルカメラの開発で培った光学技術を生かしたフル自由曲面コンバイナ&曲面ミラーや高輝度PGU(Picture Generation Unit)を用いることで、本体の小型化と低歪かつ明るく鮮明な画面を実現したと云う。
[開発技術の概要]
(1)フル自由曲面コンバイナ&曲面ミラー
デジタルカメラの開発で培ったレンズ設計・レンズ成形技術を活用。高精度のフル自由曲面コンバイナ&曲面ミラーを開発した。フル自由曲面コンバイナ&曲面ミラーの採用で、光路をさらに短くするとともに、コンバイナの格納方式を改良したことで、小型・軽量化を実現。映像も低歪に。
(2)高輝度PGU
液晶ディスプレイの照明技術を応用した独自のHUD向けバックライト設計により、太陽光下やサングラス越しのような表示が見えにくい状況においても、ドライバーに鮮明な画像を提供。
パナソニックは、コンバイナタイプHUDからAR-HUDまで、さまざまな顧客ニーズに応えるHUDを今後も開発し、HUDのリーディングカンパニーを目指すとしている。