パナソニックは、9月3日、ファインセラミックスセンターおよび名古屋大学と共同で、走査型透過電子顕微鏡(STEM: Scanning Transmission Electron Microscope)内で全個体リチウムイオン(以下、Liイオン)電池を充放電させた際の、LiCoO2正極内におけるLiイオンの動きを可視化する世界初の技術を開発したと発表した。
高い安全性と高エネルギー密度が期待できる全固体Liイオン電池は、従来の液体電解質を用いたLiイオン電池に比べ、充電時間が短く、発火等の危険性も低く、劣化しにくい等のメリットがあり、次世代電池として期待されている。
現在、将来の電気自動車やハイブリッド自動車等への搭載を目的に、世界中で研究開発が進められているが、一方で、電極/固体電解質界面におけるLiイオンの移動抵抗が極めて高いため、出力を上げづらく実用化を妨げている。
この課題を解決し高性能な全固体電池を設計・開発するためには、電池内部でLiイオンがどのように移動しているかを視覚的に把握し、電池の設計にフィードバックさせる必要があるが、従来その技術は確立されておらず、可視化は難しいとされていた。