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2024年9月12日【IoT】

パナソニック、新ストラーダを10月から順次発売

松下次男

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パナソニックオートモーティブシステムズは9月12日、東京都内でカーナビゲーション「ストラーダ」の新機種を発表した。新機種は「ユーチューブ」や「プライム・ビデオ」などの7つの動画配信サービスが視聴できるなどオンラインにつながる機能を加えたのが特徴だ。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

パナソニックセンター東京で開いた「ストラーダ― 2024秋、新製品発表会」でインフォティメントシステムズ事業部の渡辺智雄ビジネスユニット長はストラーダの新機種について取り巻く市場環境が「大きく変化しているのに対応した」のが最大の特徴と強調した。

 

背景として「スマートフォンアプリによるナビサービスの普及や自動車メーカーのカーナビの標準装備化拡大。さらに車載機器のデジタル化やコネクティビティの向上に伴いインフォ―テイメントは単なるカーナビを超えて様々なサービス機能を持つシステムへと進化している」ことを掲げた。

 

 

このため、カーナビは「大きく変化する市場に対応し、新たな価値の提供が求められている。新製品はこうした流れを汲み、国内市場に新たなエネルギーをもたらし、エンドユーザーや販売店にとっても価値あるモデルになる」と話した。

 

発表した新機種は「ストラーダ」フローティング大画面モデル2機種とスタンダードモデルの「ストラーダ」CACEシリーズ4機種。それぞれ「つながるナビ」をコンセプトにネット動画機能を搭載し、多彩な動画配信サービスが楽しめる。

 

CACEシリーズはカー用品店向けと特定販路向けにそれぞれ200ミリ・ワイドと180ミリのパネルサイズを設定し、10月上旬から発売する。

 

フローティング大画面モデルは10V型有機EL/HDと9V型液晶/HDの搭載ディスプレイのモデルがあり、11月下旬から発売する。

 

 

配信可能なネット動画はWi―Fi接続で「YouTube」「Prime Video」「TVer」「U-NEXT」「TELASA」「SPOOX」[NBA―Rakuten]の7つ。

 

近年、動画配信サービス市場の拡大が加速する一方で、ディスクメディアの市場は縮小傾向となっており、動画や音楽などの視聴スタイルもオンライン化が進んでいるのをストラーダの新機種に反映した。

 

実際に、車室空間の利用に関する意識調査でも「移動手段から、プライベートな空間ととらえるユーザーが増加」しているとし、食事や休憩など移動以外でも車室空間を利用するユーザーが33%存在しているという。

 

フローティング大画面モデルはネット動画機能のほか、「アップル カープレイ」や「アンドロイド オート」のワイヤレス接続に対応し、豊富なスマートフォンアプリとも連携可能だ。

 

また、ナビ機能では、最長3年間の無料地図更新サービスにオンラインで対応する「ワンタッチ地図更新」機能を搭載。地図データのアップデートが手軽に行えるとともに、最新スポットやグルメ情報のオンライン検索にも対応する。

 

地図データの更新は、情報があればWi―Fi接続時にナビ画面へポップアップで知らされ、簡単なタッチ操作でアップデートできる。

 

 

ネット動画機能では、自宅のレコーダーにインターネット経由で接続し、録画番組や放送中の番組のリモート視聴も楽しめる。10V型有機EL、9V型大画面ナビの各モデルは540車種以上に取り付け可能だ。

 

ストラーダCACEシリーズはインターネットとつながる新機能を搭載した次世代スタンダードモデルのAV一体型カーナビゲーション。Wi―Fi接続で7つの動画配信サービスをウェブブラウザーで簡単に視聴できるほか、HDMI接続にも対応し多彩な動画コンテンツの視聴が可能だ。

 

カー用品店向け機種シリーズには最長3年間の無料地図更新サービスにオンラインで対応する「ワンタッチ地図更新」を搭載。地図データの更新がナビ画面のポップアップで知らされ、簡単なタッチ操作でアップデートできる。

 

また、2024年12月末までにソフトをバージョンアップすることで、「アップル カープレイ」「アンドロイド オート」へのワイヤレス接続や最新スポットやグルメ情報へのオンライン検索に対応できるようになる。

 

販売はオープン価格だが、最上位の10V型有機ELモデルで25万円前後、9V型液晶モデルで16万円前後、カー用品向けCACEシリーズの200ミリ・ワイドモデルで12万円前後、180ミリ・モデルで10万円前後の税込み価格を想定している。新機種は新工場の松坂拠点で生産する。

 

新製品発表会での主な質疑応答は次のとおり。

 

――動画配信サービスで、ネットフリックス対応が外れている理由は。また、どのウエブ・プラウザーを使用されているのでしょうか。

 

「動画配信サービスサービスで今回、ネットフリックスは入っていないのは、システム上やコンテンツの問題から対応が難しかったためです。これらが解決できれば対応を検討したいと考えています。ウエブ・プラウザーはクロムベースのクラウドを使っており、広くグローバルで使用され、品質も安定しています」

 

――今回の機種はディスク対応機能が搭載されておりません。ディスク対応機種を求めるユーザーも存在していると思いますが。

 

「新たなサービスが勢いを増しており、将来に向けて、新しい映像サービスに対応するというのが必然と思っております。ディスクメディアに対しては対応機種を引き続き継続販売しており、全くなくなるというわけではありません。新製品のラインアップからはディスク対応機種が無くなりますが、現行の製品を含む市販製品の中から選択していただければ幸いです」

 

――新機種ナビは、音響関連でどのようにアップデートされているのでしょうか。

 

「今回の機種は、回路系統にオーディオ専用の回路を優先的に配置、設計しており、そこにデジタルアンプを加えることで、音にこだわった製品となっております。これによりクルマの環境下でも音の歪がなく、よりクリアーな音質になっています」

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。