パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、HEV、EV、ガソリン車などの車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)の電源回路に適した、耐振動 面実装タイプ導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ[註1]を製品化、2018年1月から量産を開始する。
環境対応車の燃費改善や環境規制への対応を背景に、ECUの搭載数増加や機電一体化[註2]が進むにつれ、ECUの小型化と振動対策へのニーズが高まっている。
そのため、ECUの電源回路の電圧安定化やノイズ除去などを目的に使用されるコンデンサにもまた、小形化と高耐振動性能が要求されている。
同社では業界初(※1)の直径6.3mmサイズで30Gの高耐振動性能を実現した面実装タイプ導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサを製品化、来年1月からの量産化を開始する。
[製品の特長]
1.業界初(※1)直径6.3mmサイズの耐振動品で、ECUの小型化や振動対策に対応
・サイズ:直径6.3x高さ6.1mm、直径6.3x高さ8.0mm
・耐振動性能:振動加速度[註3] 30G 同社従来品(※2)振動加速度10G
2.基板実装工程での耐振動の補強レス化で、工程の合理化に貢献
・ボンディング(接着剤での固定)での補強対策を削減
3.独自の補助端子構造により、安定したはんだ付け性を実現
※1:2017年12月25日現在、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ(直径6.3mmサイズ品)として(同社調べ)
※2:同社従来品:導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ(直径6.3mmサイズ品)
[用途]
HEV、EV、ガソリン車の高機能ECU電源回路、機電一体型ECU回路
[基本仕様]
シリーズ名:ZA、ZC、ZK
サイズ(直径Φ×高さ):直径Φ6.3×6.1mm / 直径Φ6.3×8.0mm
振動加速度:30G(294m/ S²)
周波数:5~2000Hz
全振幅:5mm
振動性能(振動方向、時間):X,Y,Z方向、各2時間
[註1]:導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ
電解質に固体(導電性高分子:導電性ポリマー)と液体(電解液)を融合したハイブリッド電解質を採用したコンデンサ。導電性高分子コンデンサの特長である低ESR(抵抗)特性とアルミ電解コンデンサの特長である低漏れ電流特性を兼ね備えたコンデンサ。
[註2]:機電一体化
機械駆動部分とECU(電子制御ユニット)を一体化すること。従来は機械駆動部分とECUは離れて配線で結ばれていたが、制御の高精度化、設置場所の自由度向上、省線化などの目的で導入が進んでいる。
[註3]振動加速度
振動加速度とは、振動の大きさを表す尺度の1つ。
[問合せ先]
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 デバイスソリューション事業部: