パナソニックは、11月13日開催の取締役会において、2022年4月(予定) に持株会社制へ移行することを決定した。
なお、持株会社制への移行は、2021年6月開催予定の定時株主総会による所定の決議および必要に応じ関係官庁の許認可等が得られることを条件として実施される。
1.持株会社制への移行の背景および目的
総合エレクトロニクスメーカーとして家庭用電化製品、住宅、自動車および、B2Bビジネスにおいての様々な商品やソリューション提供など、幅広い事業を展開するパナソニックグループは、昨年5月に策定した中期戦略に基づき、「空間ソリューション」、「現場プロセス」、「インダストリアルソリューション」事業を基幹事業と位置づけ、利益成長を実現すべくリソースを強化。また並行して、固定費削減や構造的赤字事業への対策等、経営体質強化策も推進し、低収益体質からの脱却を目指している。
一方、グループを取り巻く事業環境は、各国の政治・金融情勢や保護主義の広がり、新型コロナウイルスの影響による市況の冷え込みなど、その変化が年々激しさを増している状況に。
パナソニックは、そのような不透明な状況が続く中、より中長期的な視点でグループの経営を深化させ、成長をより確かなものにしていくため、今回のグループの持株会社制への移行の決議に至ったと云う。
持株会社制への移行により、分社化された各事業会社は、より明確になった責任と権限に基づき自主責任経営を徹底。外部環境の変化に応じた迅速な意思決定や、事業特性に応じた柔軟な制度設計などを通じて、事業競争力の大幅な強化に取り組む。
一方、パナソニックは、持株会社として各事業会社の事業成長の支援と、グループ全体最適の視点からの成長領域の確立に特化し、グループとしての企業価値向上に努める。
2.持株会社制への移行方法
パナソニックを分割会社とする会社分割により、①中国・北東アジア事業、ホームアプライアンス事業、空調・空質事業、食品流通事業、電気設備事業(以上の5事業は1社に集約)、②オートモーティブ事業、③スマートライフネットワーク(AVC)事業、④ハウジング事業、⑤現場プロセス事業、⑥デバイス事業、⑦エナジー事業といった事業部門を複数の事業会社に承継させるとともに、⑧間接部門(現プロフェッショナルビジネスサポート部門など)の一部も上記方法にて分社化を実施し、これらの事業会社などをパナソニックの完全子会社とすることを想定。
会社分割後、パナソニックは分社化された各社の株式を保有し、持株会社として引き続き上場を維持する。
なお、持株会社制への移行にあたり、パナソニックは、商号を「パナソニックホールディングス」に変更し、「パナソニック」の商号は、今後設立予定の①の事業を承継する事業会社が使用する。
また、持株会社制への移行に向けて、2021年10月に現行カンパニー制を廃止し、事業再編を実施するとしている。
(参考)持株会社制移行前後の事業体制の関係
3.今後の予定
・会社分割契約・定款変更の株主総会決議:2021年6月(予定)
・現行カンパニー制の廃止および事業再編の実施:2021年10月(予定)
・持株会社制への移行:2022年4月(予定)
・パナソニック商号の変更、事業会社の商号使用:2022年4月(予定)