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2021年2月25日【IoT】

パナソニック、ハロゲンフリーのミリ波帯アンテナ材料開発

NEXT MOBILITY編集部

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パナソニック インダストリアルソリューションズ社は2月25日、ミリ波帯[1]アンテナに適した「ハロゲンフリー超低伝送損失[2]多層基板材料」を製品化、2021年3月より量産を開始することを発表した。

[1]ミリ波帯:30~300 GHzの周波数範囲。
[2]伝送損失:プリント基板上の配線(伝送線路)を通る信号が材質や距離などに応じて減衰する度合い。

パナソニック・ロゴ

ADAS(先進運転支援システム)や自動運転の開発が進むなか、それらを支える走行環境認識技術にミリ波レーダー[3]が用いられている。また、第5世代移動通信システム(5G)の特徴である「超高速・大容量」「多数同時接続」「超低遅延」の実現に向けて、無線通信基地局ではミリ波帯の使用や、超多素子アンテナを用いたビームフォーミング技術[4]の採用が進む。そのため、無線通信に用いられる高周波基板の構造は大きく変わり、ミリ波帯における低伝送損失および多層化の可能な基板材料が広く求められている。

[3]ミリ波レーダー:ミリ波帯電波を送信し、物体からの反射波を受信することにより、物体の位置・速度を検出するセンサ。車載ミリ波レーダーは主に76~81 GHzが割り当てられており、衝突防止システムに代表されるADAS(運転者支援システム)を構築するセンサの1つとして自動車への搭載が加速している。
[4]ビームフォーミング技術:複数のアンテナ素子を配列し、その位相を制御するフェーズドアレイアンテナにおいて、特定の方向に指向性の高い電波を飛ばす技術。

 

従来、アンテナ用基板材料として主に採用されてきたフッ素樹脂基板材料[5]は、熱可塑性樹脂であるため多層化が困難であった。今回開発された「ハロゲンフリー超低伝送損失多層基板材料(品番:R-5410)」は、熱硬化性樹脂からなるプリプレグで、アンテナ層をビルドアップ工法[6]により形成・多層化することが可能。高周波基板の設計自由度向上に寄与し、材料・加工コストを低減した小型・高密度なアンテナ一体型モジュールの実現と、より高効率なアンテナ性能の実現に貢献する。

[5]フッ素樹脂基板材料:熱可塑性のフッ素樹脂(PTFE、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化炭素樹脂などとも呼ばれる)を絶縁体としたプリント基板材料。フッ素樹脂は一般的なプリント基板材料に用いられるエポキシ樹脂に比べてミリ波帯での比誘電率、誘電正接が優れている。
[6]ビルドアップ工法:コアとなる基板の上に絶縁層(プリプレグ)と導体層(銅箔)を1層ずつ積み上げていき、多層の配線層を形成する工法。

 

 

■特長
1.低伝送損失で、ミリ波帯アンテナの低損失・高効率化に貢献
・伝送損失0.079dB/mm(@79GHz)
(同社従来品※1:0.081dB/mm)
※1:当社従来品(超低伝送損失多層基板材料“MEGTRON7”R-5785)
独自の樹脂設計技術により、当社従来品同等レベルの低誘電特性と、低粗化銅箔との十分な密着強度がある。そのため熱硬化性樹脂基板において業界トップレベルの低伝送損失を実現し、ミリ波帯アンテナの低損失・高効率化に貢献する。

2.アンテナ層の多層化、高周波基板の設計自由度向上に寄与
独自の樹脂設計技術により、従来品同等レベルの低誘電特性と、低粗化銅箔との十分な密着強度がある。そのため熱硬化性樹脂基板において業界トップレベルの低伝送損失を実現し、ミリ波帯アンテナの低損失・高効率化に貢献する。

 

 

3.基板製造時の加工コスト低減に貢献
熱硬化性樹脂材料であるため汎用基板用の既存設備での加工が可能であり、特殊な薬液や工程を必要とせず、基板製造時の加工コスト低減に貢献する。

 

■用途
ミリ波帯アンテナ用基板(車載ミリ波レーダーや5G無線通信基地局など)、高速伝送基板

 

■基本仕様
<品番>コア材:R-5515、プリプレグ:R-5410

 

 

■商品の詳細情報
5G Multi-layer PCB Solutions
https://industrial.panasonic.com/jp/electronic-materials/concept/5g_multi_pcb?ad=press20210225jp

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。