パナソニック インダストリアルソリューションズ社は3月2日、車載部品の実装信頼性と生産性を向上させる「高耐熱性二次実装補強 サイドフィル材料 CV5797U」を製品化、2021年3月より量産を開始すると発表した。
車載用電子機器は、車室内外の温度ギャップや振動など自動車特有の厳しい条件下での高い信頼性が求められている。また、自動車走行制御技術の高度化や通信サービスの進化に伴い、車載用電子機器の更なる高機能化が進んでいる。
そのため、半導体パッケージの大型化や搭載される実装部品の高密度化による配線の微細化が進み、半導体パッケージの発熱量増加や外部接続端子の面積減少等に起因してはんだ接合部に加わる応力によるクラックの発生が課題となっている。
パナソニックは、実装補強材に着目し、はんだクラックの発生を抑えるために、独自の樹脂設計技術・流動性制御技術により、高い実装信頼性を必要とする大サイズの半導体パッケージでも素早く実装補強ができる高耐熱性二次実装補強サイドフィル材料を製品化した。
同社によると、この製品は、常温でのポットライフ(可使時間)を同社従来品と比べて3倍の72時間を確保するなど取り扱いが容易なため、実装工程での生産性向上を実現する。
なお、2021年3月17~19日まで中国・上海新国際展覧中心で開催される「セミコンチャイナ2021」に、この製品を出品するとしている。
■特長
1)高い実装信頼性により、はんだ接続部のクラックを防止
・高Tg(160℃)かつ低CTE(14ppm)設計で、温度サイクル時のはんだ接合部に加わる応力を低減
・温度サイクル試験:-55℃~125℃で6,000サイクル達成
2)取扱いが容易で、実装工程での生産性向上に貢献
・常温ポットライフが同社従来品(品番CV5314)の3倍となる72時間と長く、取扱いが容易
・補強タクトタイムは、同社アンダーフィル材使用時と比較して約1/10と大幅に短縮
・ジェットディスペンサーでの塗布が可能
3)25mm×25mm以上の大サイズBGA(Ball Grid Array)等の実装補強が可能
独自の樹脂設計による流動性制御技術で、パッケージの外周に塗布することにより、QFN(Quad Flat No leaded package)はもとより、アンダーフィルでは対応が困難であった25mm×25mm以上の大サイズBGAの実装補強が可能。
サイドフィルとアンダーフィルの違い
■用途
車載カメラモジュール、車載通信モジュール(ミリ波レーダー用モジュール)、車載ECU(電子制御ユニット)、次世代コックピット、ヘッドライトなどの半導体パッケージや電子部品の実装補強