熱に対してもPEEK(ピーク)以上の高温のガラス転移点(160℃)を持つこと。さらにエンジンオイルなどさまざまな液体に晒される耐薬品性もクリアする。
また射出成形が容易であり、吸水性が低く寸法安定性も高い。素材単体でのコストは決して安価ではないものの、金型での加工や成形性を踏まえると充分なコストダウンも実現できるという。
なお同製品と同社は、欧州自動車系サプライヤーの他、日系自動車OEM/部品サプライヤーにも目下、広くアプローチしており、今後、加速的に高まる自動車のエレクトロニクス化の流れに貢献していくと述べている。
※上記映像は今春に開催したサステナビリティフォーラムジャパンでの同社CEOのFeike Sijbesma/フェアイク・シーベスマ氏
ちなみにこのDSMは、オランダ・リンブルフ州ヘールレン市に本拠を置く国際企業であるが、その源流は1902年に創業した炭鉱会社に行きあたる。
以来、操業から115年を迎えた現在、年間の事業売上で約100億ユーロ規模(約1兆3000億円)の実績を背景に、結晶性高機能プラスチックスで自動車産業の他、ライフサイエンス領域に於いても確かな地位を築いている。
加えて余談であるが、同社は先の11月7日、トヨタ自動車株式会社の100%子会社であるトヨタ・モータースポーツ(TMG)と、最新3Dプリンティングを可能とする樹脂素材提供も含め、欧州に於けるトヨタのモータースポーツ活動を支えるための技術提携契約を締結している。
最後に昨今、高機能樹脂による金属代替市場は、毎年10%に迫る規模で成⾧し続けており、自動車の環境性能の高まりを受け、来る2025年までには、小型乗用車に於いておよそ200kgの軽量化が求められるようになると云われている。
なお製品に関する顧客側からの問い合わせ先は以下の通り
ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス株式会社
Tel: 03-5404-8301 / e-mail: DEP-info.japan@dsm.com