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2021年3月4日【CASE】

オン・セミコンダクター、世界初のLiDAR用SiPMアレイ発売

NEXT MOBILITY編集部

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オン・セミコンダクターは3月4日、新製品のRDMシリーズ・シリコン光増倍率(silicon photomultiplier、SiPM)アレイを発表した。

 

新製品「ArrayRDM-0112A20-QFN」は幅広いインテリジェントセンシング・ソリューションにLiDARセンサ機能を拡張。市場初の車載認定済SiPM製品であり、自動車業界をはじめさまざまな業界におけるLiDARアプリケーションで高まる需要に対応するとしている。

 

 

ArrayRDM-0112A20-QFNは、オン・セミコンダクターの市場を代表するRDMプロセスをベースとした、モノリシックな1×12配列のSiPMアレイ。近赤外(NIR)光に対して高感度を実現し、905ナノメートル(nm)で業界トップクラスの18.5%の光子検知効率(photon detection efficiency、PDE)を実現。SiPMの高い内部ゲインにより、シングルフォトンのレベルまでの感度を可能にする。この機能は、高いPDEと組み合わせることで、最も弱いリターン信号を検出でき、反射率の低いターゲットでも、より遠くまで到達距離を広げることができるという。

 

SiPM技術は近年、勢いを増しており、その独特な機能セットにより、幅広い市場の深度センシングアプリケーションに適したセンサとなっている。SiPMは、明るい太陽光条件下で、長距離レンジングに対して最高のS/N性能を提供する能力を持っている。供給バイアスが低く、気温変化に対する感度が低いなどの付加的な利点により、従来型のアバランシュフォトダイオード(avalanche photodiode、APD)を使用するシステムのアップグレードになる。SiPMは、CMOSプロセスで量産されており、検出器のコストを最小にできるため、広範囲な市場のLiDARソリューションを可能にする。

 

レーザー光を使った物体の距離の測定は、自動車、民生、産業用のアプリケーション分野に広がっている。自動車では、LiDARは、他のセンシングモダリティを補完し、冗長性を提供することにより、車線維持や交通渋滞支援などの機能を支援し、安全性と運転支援システム(ADAS)を改善する。LiDARは、ロボットによる輸送など、完全自動運転のユースケースで一般的に使用されるようになっており、環境をリアルタイムで安全にナビゲートする。ArrayRDM-0112A20-QFNの高PDEによって、これらの機能をサポートするLiDARシステムは300メートルを超える距離に及ぶことが実証されているという。

 

オン・セミコンダクターのオートモーティブセンシング部門で、シニアディレクターを務めるウェイド・アペルマン(Wade Appelman)は、次のように述べている。「LiDARによって提供される高解像度の深度データにより、低照度条件下での瞬時で正確なオブジェクト識別が可能になります。ArrayRDM-0112A20-QFNは、最初の車載品質認定済のSiPMとして、安全と自律性の次のレベルに向けた長距離でコスト効率の高いLiDARソリューションを可能にします。当社は、多様で相補的なセンシングモダリティを提供することで、センサポートフォリオを継続的に強化し、より高いレベルのADASと自動運転への道を切り開きます」

 

Yole社のテクノロジー&マーケットアナリストであるPierrick Boulay氏は、次のように述べている。「Yole Développement(Yole)では、LiDARはレベル2+以上に到達するために必要な機能を備えた、自動車の完全な自律化に向けて、必要不可欠なコンポーネントであると考えています。車載品質に認定済かつ十分な性能を備えたセンサの製造は、自動車アプリケーションでLiDARを大量に採用するための重要な要素であり、現在の傾向に基づいた2019年から2025年のCAGRは+144%と予想されます」

 

 

・Web ページ:ArrayRDM-0112A20-QFNデバイス製品
・Web ページ:ArrayRDM-0112A20-QFN評価ボード
・ホワイトペーパ:シリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)センサの概要

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。