オムロンは、250kgまで自動搬送できる「モバイルロボットLD-250」を、11月15日に世界一斉発売する。
業界初となる「フリートマネージャ」とあわせて使用することで、搬送重量(ペイロード)が異なるモバイルロボットを1つのシステムで制御可能。柔軟で最適な自律搬送が実現できると云う。
オムロンのLDシリーズは、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボット。
今回発売される「LD-250」は、シリーズ最大の250kgの搬送が可能。上部面積を従来の約2倍とし、大型の自動車部品やかさの大きい梱包材など、従来、人がカートを使って移動させていた搬送作業の自動化を実現する。
また、業界で初めてペイロードの異なるモバイルロボットを1つのシステムで制御できる「フリートマネージャ」を使用することで、最大100台までのロボットを連携させて使用できる。
「LD-250」発売に際し、オムロンのインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット推進プロジェクト本部長の山西基裕氏は、以下のように話している。
「オムロンは、2015年に、米国に拠点を置くロボット会社のAdept社を買収して以来、そのロボット技術によってお客様のフレキシブル製造が実現できるように、より多くのリソースを投入してきました。
世界中の産業分野でモバイルロボットによる搬送作業の自動化が加速する中、今回の新商品LD-250はこのイニシアチブをさらに前進させるカギとなり、お客様に対してさらなる選択肢を提供できるようになりました」。
また、OMRON Robotics and Safety Technologies社長兼CEOのTom Mathias氏は、次のように話している。
「現場における物流、つまり、工場や倉庫内で製品や材料を移動させる作業は、頻度が高くしかも単調です。一方で人件費も高騰しており、現場における搬送業務が多くの企業にとって、ひとつのボトルネックとなりつつあるのが現状です。
オムロンのモバイルロボットは、人と同じ環境で、1日24時間、疲れを知らず、時間通りに、安全に作業できるため、この問題を解決するのに役立ちます」。
オムロンは、「LD-250」を加えたオムロンのモバイルロボットLDシリーズにより、自動車、電機・電子、食品、日用品などのさまざまな業界において、設備を固定せず、需要変動などに応じてフレキシブルに対応できる自動搬送システムを実現。モノを移動させるという単純・単調で重労働な作業から人を解放し、より創造的な分野へシフトさせることで、社会的課題の解決に貢献していくとしている。
なおLD-250は、12月18日から21日に東京で開催される2019国際ロボット展に出展される。
[LD-250の主な特長]
■高いペイロードと堅牢構造
従来のモバイルロボットLDシリーズの可搬重量は、LD-60が60kg、LD-90が90kg、そしてカートトランスポータタイプが最大130kg。今回発売されるLD-250は、シリーズで最も重い250kgの搬送ができる。
また従来品よりも頑丈な金属カバーで覆われているため、外部の衝撃やより過酷な作業に耐えられ、自動車産業のトランスミッションブロックやシート、ワイヤーハーネス、食品や日用品産業における梱包材など、従来、人がカートを使用して行っていたかさの大きいものの搬送作業を自動化することが可能。
■高度な混合フリート
LD-250は、ペイロードや性能の異なるオムロン製モバイルロボットを、最大100台まで同時に制御できる業界初のシステム「フリートマネージャ」に対応し、従来のモバイルロボットとシームレスに連携。
フリートマネージャは、すべてのロボットを制御し、トラフィック管理、バッテリ管理、および車両ナビゲーションの最適化が可能。複雑な搬送業務の自動化を実現する。
■投資収益率(ROI)を向上
1回の搬送が今まで以上にできることで、ROIを向上。既存LDシリーズのモデルと組み合わせて、最も効率的で柔軟な搬送システムが構築できる。
■カスタマイズが可能
上部にコンベアや搬送容器など、用途に応じた専用のマテリアルハンドリング機構と自由に組み合わせてカスタマイズし、ニーズにあった最適なソリューションを実現。また、パフォーマンスをさらに高めるための各種オプション(HAPS(※1)、サイドレーザセンサ、Acuity Localization(※2)など)も使用できる。
さらに、オムロン協調ロボットシリーズとの統合で、頑丈な「モバイルマニピュレーター」を実現。搬送とマニピュレーション作業を同時実現する新しいアプリケーションの構築が可能。
※1)HAPS:High Accuracy Positioning System(高精度位置決めシステム)の略。
※2)Acuity Localization:照明位置決め広角カメラオプション。頻繁に変化する環境でもモバイルロボットが位置推定できる方法が追加可能。
[問い合わせ先]
OMRON Robotics and Safety Technologies
メール: ORT-Marketing@omron.com