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2019年11月15日【テクノロジー】

オムロン、可搬250kgの自動搬送ロボットを世界発売

NEXT MOBILITY編集部

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オムロンは、250kgまで自動搬送できる「モバイルロボットLD-250」を、11月15日に世界一斉発売する。

 

業界初となる「フリートマネージャ」とあわせて使用することで、搬送重量(ペイロード)が異なるモバイルロボットを1つのシステムで制御可能。柔軟で最適な自律搬送が実現できると云う。オムロン・ロゴ

オムロンのLDシリーズは、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に荷物を届ける搬送ロボット。

 

今回発売される「LD-250」は、シリーズ最大の250kgの搬送が可能。上部面積を従来の約2倍とし、大型の自動車部品やかさの大きい梱包材など、従来、人がカートを使って移動させていた搬送作業の自動化を実現する。

 

また、業界で初めてペイロードの異なるモバイルロボットを1つのシステムで制御できる「フリートマネージャ」を使用することで、最大100台までのロボットを連携させて使用できる。

 

 

「LD-250」発売に際し、オムロンのインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット推進プロジェクト本部長の山西基裕氏は、以下のように話している。

 

「オムロンは、2015年に、米国に拠点を置くロボット会社のAdept社を買収して以来、そのロボット技術によってお客様のフレキシブル製造が実現できるように、より多くのリソースを投入してきました。
 世界中の産業分野でモバイルロボットによる搬送作業の自動化が加速する中、今回の新商品LD-250はこのイニシアチブをさらに前進させるカギとなり、お客様に対してさらなる選択肢を提供できるようになりました」。

 

また、OMRON Robotics and Safety Technologies社長兼CEOのTom Mathias氏は、次のように話している。

 

「現場における物流、つまり、工場や倉庫内で製品や材料を移動させる作業は、頻度が高くしかも単調です。一方で人件費も高騰しており、現場における搬送業務が多くの企業にとって、ひとつのボトルネックとなりつつあるのが現状です。
 オムロンのモバイルロボットは、人と同じ環境で、1日24時間、疲れを知らず、時間通りに、安全に作業できるため、この問題を解決するのに役立ちます」。

 

 

オムロンは、「LD-250」を加えたオムロンのモバイルロボットLDシリーズにより、自動車、電機・電子、食品、日用品などのさまざまな業界において、設備を固定せず、需要変動などに応じてフレキシブルに対応できる自動搬送システムを実現。モノを移動させるという単純・単調で重労働な作業から人を解放し、より創造的な分野へシフトさせることで、社会的課題の解決に貢献していくとしている。

 

なおLD-250は、12月18日から21日に東京で開催される2019国際ロボット展に出展される。

 

 

[LD-250の主な特長]

 

■高いペイロードと堅牢構造

 

従来のモバイルロボットLDシリーズの可搬重量は、LD-60が60kg、LD-90が90kg、そしてカートトランスポータタイプが最大130kg。今回発売されるLD-250は、シリーズで最も重い250kgの搬送ができる。

 

また従来品よりも頑丈な金属カバーで覆われているため、外部の衝撃やより過酷な作業に耐えられ、自動車産業のトランスミッションブロックやシート、ワイヤーハーネス、食品や日用品産業における梱包材など、従来、人がカートを使用して行っていたかさの大きいものの搬送作業を自動化することが可能。

 

■高度な混合フリート

 

LD-250は、ペイロードや性能の異なるオムロン製モバイルロボットを、最大100台まで同時に制御できる業界初のシステム「フリートマネージャ」に対応し、従来のモバイルロボットとシームレスに連携。

 

フリートマネージャは、すべてのロボットを制御し、トラフィック管理、バッテリ管理、および車両ナビゲーションの最適化が可能。複雑な搬送業務の自動化を実現する。

 

■投資収益率(ROI)を向上

 

1回の搬送が今まで以上にできることで、ROIを向上。既存LDシリーズのモデルと組み合わせて、最も効率的で柔軟な搬送システムが構築できる。

 

■カスタマイズが可能

 

上部にコンベアや搬送容器など、用途に応じた専用のマテリアルハンドリング機構と自由に組み合わせてカスタマイズし、ニーズにあった最適なソリューションを実現。また、パフォーマンスをさらに高めるための各種オプション(HAPS(※1)、サイドレーザセンサ、Acuity Localization(※2)など)も使用できる。

 

さらに、オムロン協調ロボットシリーズとの統合で、頑丈な「モバイルマニピュレーター」を実現。搬送とマニピュレーション作業を同時実現する新しいアプリケーションの構築が可能。

 

 

※1)HAPS:High Accuracy Positioning System(高精度位置決めシステム)の略。
※2)Acuity Localization:照明位置決め広角カメラオプション。頻繁に変化する環境でもモバイルロボットが位置推定できる方法が追加可能。

 

 

[問い合わせ先]

 

OMRON Robotics and Safety Technologies

メール: ORT-Marketing@omron.com

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。