オムロンは、「JBノルディックベンチャーズ(Nordic Ventures)」が投資助言を行う、北欧およびバルト三国のスタートアップ向け投資の「JBノルディックファンドI(JBノルディック)」に対する出資関連諸契約を締結した。
近年、北欧およびバルト三国では、フィンランドのモビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)やスウェーデンの仮想通貨「eクローナ」、エストニアの政府保有データのセキュリティ対策「KSIブロックチェーン」など、各国政府が主導する最先端技術を活用した取り組みが積極的に行われている。
また、数多くのユニコーン企業を輩出し、人口一人あたりのスタートアップ数が多いなど、欧州で最もスタートアップ熱が高い地域となっている。
JBノルディックベンチャーズは、国際協力銀行(JBIC)子会社の「JBIC IGパートナーズ(※1)」とバルト三国で最大のファンドマネジメント会社の「バルトキャップ(BaltCap/※2)」により共同で設立された投資助言会社で、当該地域で、AI、IoT、ビッグデータ解析などの最先端技術を有するスタートアップへの投資を通じて、日本企業との提携に向けた橋渡しを行っている。
オムロンは、2017年から開始した中期経営計画「VG2.0」において、「注力ドメイン(※3)を再設定し事業を最強化」「ビジネスモデルの進化」「コア技術の強化」の3つを基本戦略としている。
この基本戦略を「パートナーとの協創」を目指すオープンイノベーション戦略で加速し、事業・技術の強化や、新規事業の創出を行い、より大きな社会的課題の解決への挑戦を通じた成長を目指すとしている。
その取り組みの一環として、今回、JBノルディックへ出資。北欧およびバルト三国のスタートアップとのネットワークを保有する、「バルトキャップ」が提供するビジネスマッチング機会サービスなどを通じて、現地の有力なスタートアップや技術シーズの探索を行い、オープンイノベーションによる新規事業の創出や、事業・技術の強化を図る。
オムロンは、今後も、北欧およびバルト三国に留まらず、20年以上前から国家戦略としてイノベーションを推進するイスラエルや、スタートアップ企業集積の中心地である米国シリコンバレーなど、海外の有力なベンチャーキャピタルへの出資を行っていくとしている。
[JBノルディックファンドIの概要]
– 名称:JBノルディックファンドI
– ファンド総額:100百万ユーロ
– 投資対象:北欧およびバルト三国のAI、IoT、ビッグデータ解析などの最先端技術を有するスタートアップ企業
– 設立日:2019年1月15日
※1)JBIC IG パートナーズ:海外における事業機会の開拓・投資を通じ、日本の産業と投資家に長期的・持続的な価値を提供することを目的として、国際協力銀行(JBIC)及び経営共創基盤(IGPI)により 2017年6月30日に設立された合弁会社。
※2)バルトキャップ:欧州投資基金や地場年金基金等の金融投資家を投資家層とするバルト三国で最大のファンドマネジメント会社。
※3)注力ドメイン:「ファクトリーオートメーション」「ヘルスケア」「モビリティ」「エネルギーマネジメント」の4ドメイン。