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2019年1月21日【テクノロジー】

オムロン、金型加工の切削最適制御サービス。匠の技を自動化

NEXT MOBILITY編集部

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オムロンは、モノづくりの生産性や品質向上のためのIoTサービス「i-BELT」の第3弾として、「金型加工の切削最適制御サービス」の提供を2月から開始する。

オムロン・ロゴ

近年、モノづくりの現場において熟練技能者や作業者の不足が常態化する一方、高い水準で生産性や品質を維持向上していくことが求められている。

 

こうした中、オムロンでは、約10年前からデジタル技術を活用して「匠の技」を自動化し、生産効率を高めるさまざまな取り組みを進め、実証実験を重ねてきたと云う。

 

2016年から2年をかけ社内で実証実験を重ねた取り組みを、サービス化したのが、「i-BELT」第3弾の「金型加工の切削最適制御サービス」。

 

熟練技能者が工作機で金属を切削する際、設備の“音”を切削速度の判断材料にしていることに着目し、工作機に設置した振動センサーで切削時の振動を計測し、切削抵抗を算出、その大きさにより工具の送り速度を補正する。

 

オムロンは、このアルゴリズム開発の結果、既存の工作機での加工時間を従来比で40%削減し、工具摩耗量も20%削減を実現したとしている。

 

 

 

金型加工の切削最適制御サービスでは、顧客とオムロンのエンジニアが製造現場のデータを見える化・分析し、制御にフィードバックする仕組みを共創。既存の工作機が自律的に動くことで、設備効率の最大化や生産性向上に貢献すると云う。

 

「i-BELT」は、第1弾「設備の異常予兆監視サービス」、第2弾「現場課題の見える化・分析サービス」、第3弾「金型加工の切削最適制御サービス」に引き続き、今後も製造現場の課題解決に直結するサービスを拡充していくとしている。

 

 

[関係者のコメント]

 

<企画室 IoTプロジェクト本部長 井上宏之 氏>

 

i-BELTは、オムロンとお客さまが製造現場にあるさまざまなデータを共通言語にしながら、課題を共有、解決していくことで最適なモノづくりの現場を共創していくサービスです。

 

製造現場向けのIoTで効果を出すためには、製造現場の知見やノウハウが必要不可欠です。オムロンのさまざまな技術や豊富な現場経験をもとに、装置から得られるデータで現場価値の向上ができることを多くのお客さまに体感していただきたいという思いから、本サービスを実現しました。

 

これからも、50年以上FA業界で多くの商品やサービスをお客さまに提供してきた実績や自社のモノづくりを高め続けてきた経験を生かして、お客さまに「リアルに効果を発揮する」データ活用の提案を続けていきます。

 

<オートメーションセンタ IoTプロジェクト推進リーダー 古田勝久 氏>

 

現場の課題に何とか役に立ちたいという思いで金型加工の切削速度最適化テーマに取り組み始めましたが、我々が長年取り組んできた振動計測でこの課題を解決することができうれしかったです。しかしこの成功は、何としても課題を解決したいという現場の方々の強い志があってのことでした。

 

今後も、工具ごとの寿命の変化や品種ごとの加工時間の短縮といった効果の見える化に取り組み、この技術の価値をより多くのお客さまが導入しやすい仕組みを一層整備していきます。

 

*1 加工時間40%、工具摩耗量20%削減:オムロン草津工場での実証実験結果。

 

 

[i-BELTについて]

 

「i-BELT」は、AI搭載コントローラーを軸に、20万種に及ぶ制御機器に加え、「i-BELTパートナー」各社の多彩な入出力機器を組み合わせ収集したデータを分析、その結果を制御アルゴリズムに変換し機械の制御に戻すことで、モノづくり現場の知能化を推進する、オムロン独自のデータ活用サービス。

 

熟練技能者が持つ暗黙知をデータ化し、制御と情報を融合することで、オムロンの戦略コンセプト”i-Automation!”を実現する鍵となる「intelligent(知能化)」を顧客と共創する。

 

 

[i-Automation! について]

 

オムロンは、画像処理センサーなどの入力機器から、各種コントローラー、サーボモーターなどの出力機器をはじめ安全対策機器、産業用ロボットまで幅広い機器を有し、これらをソフトウェアで組み合わせた独自のオートメーション技術を世界中の製造現場に提供。

 

現在、こうした技術と機器群をベースに、3つの”i”、「integrated(制御進化)」、「intelligent(知能化)」、「interactive(人と機械の新しい協調)」からなる戦略コンセプト”i-Automation!”を掲げ、製造業のモノづくり現場の革新に取り組んでいる。

 

 

■(オムロン)金型加工の切削最適制御サービス:https://www.fa.omron.co.jp/solution/i-belt/service03/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。