沖電気工業(OKI)は、映像とカメラにより生産現場での作業ミスのゼロ化を支援する「プロジェクションアッセンブリーシステム(注1)」を、自動車生産現場の作業支援に応用した「Projection Complement System(以下、PCS)」実現に向けた実証実験を、スバル(SUBARU)群馬製作所の大泉工場で、11月12日に開始した。
フォレスター、レヴォーグなどのスバル車の生産を担う群馬製作所のなかで、大泉工場では、自動車用エンジン、トランスミッションを製造。これらの製品は、自動車を構成するパーツのなかでも特に高い品質と耐久性が求められるため、加工・組立工程の後、外観検査、運転検査などの工程を経て完成車工場へ出荷されている。
これらの工程においては、重要箇所や重要パーツの指差し確認が欠かせないが、スバルでは、高い品質や精度を保ちながら作業員の負荷を軽減する仕組みづくりが急務となっている。
今回の実証実験では、OKIの「プロジェクションアッセンブリーシステム」をスバルのFAシステム(注2)と連携し、PCSシステムを実現。指差し確認など、人が介在する作業を支援するシステムとして活用することを目指している。
プロジェクションアッセンブリーシステムは、OKIのIoT活用工場ソリューション「Manufacturing DX(マニュファクチャリング・デジタルトランスフォーメーション)」による現場変革ソリューションのひとつで、製造現場においてプロジェクターによる作業指示や、画像センシングを用いた作業実績のデジタル化などにより、現場の作業を支援する技術。
このプロジェクションアッセンブリーシステムとFAシステムとを連携させたPCSでは、指差し確認箇所や作業対象ワークに、プロジェクションマッピングによって一問一答形式の直接投影ができるため、車種や型式により多数のバリエーションが存在する工程においても、作業員による抜け漏れのない手順の消化が期待できると云う。
また、PCSで取得した作業実績データは、作業員が作業を実施した証跡となるだけでなく、「作業時間のばらつき具合」や「作業手順における問題個所」の特定への活用など、高い品質の維持と作業員の負荷軽減への効果も期待できると云う。
スバルは、この実証実験による評価・検証結果を踏まえ、製品の組立工程や確認工程を中心に、人が介在して作業を行う生産現場での作業支援・作業補完による業務効率化を視野に、さらなる検討を進めていく。
OKIは、スバルの大泉工場においてのPCS活用の実現性評価・検証を同社と共同で進めるとともに、実証実験によって、これまで培った現場変革のためのノウハウや技術をさらに発展させ、「Manufacturing DX」を構成するソリューションのさらなる拡大を目指すとしている。
注1)プロジェクションアッセンブリーシステム:OKIのIoT活用工場ソリューション「Manufacturing DX(マニュファクチャリング・デジタルトランスフォーメーション)」による現場変革のソリューションのひとつで、製造現場においてプロジェクターによる的確な作業指示と、画像センシングによる作業実績のデジタル化による作業支援システムとして、多くの実績を保有。
注2)FAシステム:工場における生産工程の自動化を図るシステム。
[問い合わせ先]
沖電気工業 情報通信事業本部 金融・法人ソリューション事業部 製造システム部
問い合わせフォーム:https://www.oki.com/cgi-bin/inquiryForm.cgi?p=025j
■(OKI)プロジェクションアッセンブリーシステム:https://www.oki.com/jp/esc/pas/
■(OKI)IoT活用工場ソリューション「Manufacturing DX」:https://www.oki.com/jp/esc/manufacturing/