沖電気(OKI)は8月24日、2017年度の同社グループの環境への取り組みをまとめた「環境報告書2018」を公開した。
報告書は、環境経営の考え方、概要、主要な取り組みやデータを、幅広いステークホルダーに伝えることを目的に、毎年公開されている。
「環境報告書2018」は、同社ホームページ上に掲載。また、英語・中国語版についても11月に公開される予定だ。
OKIグループでは、環境経営を環境管理活動と事業経営を統合したものととらえ、国内外のサプライチェーン全体にわたる環境経営を進め、ライフサイクル(※)の各段階で環境負荷の低減と事業へのメリットの両立を図っていると云う。
たとえば生産現場において、環境負荷の低減という視点は省エネルギー/省資源につながり、事業へのメリットという視点は生産コストの低減に直結する。
また、製品使用の段階では、ATMやプリンターのように待機と起動を繰り返すものと、通信装置のように連続して稼動するものとに大別し、それぞれに応じた対策を進め、省エネルギーに貢献していると云う。
「環境報告書2018」では、以上のようなライフサイクルにわたる環境経営の国内外の事例を掲載。
一例として、中国・深圳でOKIグループのATMなどの製造を行う沖電気実業(OSZ)では、サプライヤーと協力し、調達部品の段ボール包装をプラスチック製の通い箱に変更することで、段ボール使用量を半減させることに成功。さらに、通い箱を開梱後、そのまま製造ラインに投入できる収容形態とすることで、部品管理作業費も削減した。
OKIグループは、こうした取り組みを通じ、業務効率の改善、関連データの可視化および環境法令の順守を進め、さらには製品の環境性能の向上による販売機会の確保を図り、企業価値の向上を推進するとしている。
[報告書の主な内容]
○環境経営の基本姿勢
○「環境」と「経営」の融合
・日々の改善を環境負荷の低減につなげる
– 拠点特性を踏まえた横断的な環境管理活動
・全体視点と個別視点から活動推進
・ライフサイクル視点で実践する環境経営
○海外工場で進む省資源活動
・調達先と連携 段ボール使用量を半減
・資源投入を6割効率化 「Katsuスペース」の創出
○拠点特性に応じた温暖化防止活動
・連続稼動する装置で9割省エネ
・稼働状況を見える化 モード切り替えで9割省エネ
○化学物質の排出量削減
・製造方式の革新による化学物質の削減
・有害化学物質の排出量削減
○環境配慮設計によるお客様の省エネへの貢献
・ATM:処理速度1.5倍に、電力は半減
○気候変動への適応
・ゼロエナジー化と無線化で河川の水位監視を実現
※報告書における「ライフサイクル」は、「製品の一生」に相当する一連のプロセスを指している。これは、「設計開発→原材料や部品の調達→生産→輸送→製品使用→使用済み製品の廃棄・リサイクル」など、トータルに環境負荷を考える視点。
■(沖電気)環境報告書2018(PDF):http://www.oki.com/jp/eco/ecoreport/2018/pdf/oki_eco2018.pdf
■「環境報告書2018」紹介サイト:http://www.oki.com/jp/eco/ecoreport/2018/
■「環境への取り組み」サイト:http://www.oki.com/jp/eco/