OKIエンジニアリング(以下「OEG」)は8月31日、内装材の揮発成分が車載カメラなどにもたらす影響を調べる「フォギング試験・付着成分分析サービス」を9月1日より開始すると発表した。
自動車の電動化が進む中、航続距離を伸ばすために、内装材においても軽量化に向けた材料の変更や新素材の採用が進んでいる。一方、高温の車内環境では外気との温度差によって、内装材に使用される樹脂や添加物、接着剤から発生した揮発成分がレンズやフロントガラスに付着して曇りが生じる「フォギング」という現象が起こる場合がある。
先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術の普及に伴って車載カメラやドライブレコーダー、ヘッドアップディスプレイの採用が増加する中、揮発成分による曇りがこうした機器のレンズなどに影響を及ぼさないか、新たに採用する内装材を対象に試験・評価する需要が高まってきている。
OEGはこのようなニーズに応えるため、国際規格や自動車メーカー独自の試験規格に対応した「フォギング試験」を実施。フォギング試験では、試料を入れたガラス瓶の上部をガラス板でふさいで加熱し、試料からの揮発成分で曇ったガラス板の透過率や反射率を測定する。
さらに、フォギング試験でガラス板に付着した成分について、エポキシ樹脂系や脂肪酸エステル系など、成分の系統が分析できる「フーリエ変換赤外分光光度計」や、具体的な成分名まで詳細に分析できる「ガスクロマトグラフ質量分析装置」を活用して分析し、曇りの原因の揮発成分名を特定する「付着成分分析」にもワンストップで対応。内装材の材料選定の効率化に寄与する。
OEGは、国内外の自動車メーカーに車載機器を納入するサプライヤーや内装材メーカー、フィルムメーカーを顧客として、年間5千万円の売上を目指すとしている。