OKIエンジニアリング(以下OEG)は3月1日、リチウムイオン電池の焼損事故時に原因特定を行う解析サービスを2021年3月2日より開始すると発表した。
近年、スマートフォンなどのモバイル機器やワイヤレスイヤホンなどのウエアラブル機器に加え、充電式電動工具、電動アシスト自転車などのモーター駆動用途向けに、リチウムイオン電池の利用が拡大・加速している。これに伴い、リチウムイオン電池の発火・発煙・発熱の事故が多発しており、電池メーカーやリチウムイオン電池搭載機器を扱う企業には、より厳格な安全性の確認とともに、製品事故時の迅速な調査・解析・対策が求められている。
しかし、このような事故製品は焼損により事故の痕跡が残りづらく、事故原因が電池単体によるものなのか、あるいは実装基板やユーザーの使用環境によるものなのかといった特定が困難だ。事故発生時、企業は多くの場合、エンドユーザーや独立行政法人 製品評価技術基盤機構(以下、NITE)に対する調査報告書の提出を求めらるが、「原因不明」とせざるを得ないケースも多く発生している。
今回、OEGが提供を開始するリチウムイオン電池の焼損事故解析サービスでは、こうした課題に対応するため、X線CT検査を実施して焼損品の内部構造を把握した上で、爆発を考慮した低酸素状態で分解し、事故原因を特定する。
事故製品と同じ環境で使用されていた製品や同じロットの製品に対し、充放電試験器を用いた充放電サイクルやスタンバイ状態保持などの耐久性評価や、低周波での内部抵抗測定による劣化状態の調査を行い、事故製品が経年劣化を起こしていたのか、元々不良品だったのかなどを確認することも可能だという。
OEGは、このサービスの追加により2020年より提供している「二次電池搭載機器向け信頼性試験・評価ワンストップ受託サービス」のラインアップを強化し、ワンストップ受託サービス全体で、年間3億円の売り上げを目指す。
なお、2021年3月3日~5日に東京ビッグサイトにて開催される「第12回[国際]二次電池展」に出展し、このサービスについても紹介するとしている。
■販売計画
– 標準価格:個別見積り
– 販売目標:年間3億円(「二次電池搭載機器向け信頼性試験・評価ワンストップ受託サービス」全体)
– サービス提供開始時期:2021年3月2日