沖電気工業(OKI)は、グループ会社でプリント配線板(PCB)事業を行う「OKIサーキットテクノロジー(山形県鶴岡市/以下、OTC)」と「沖プリンテッドサーキット(新潟県上越市/以下、OPC)」を経営統合し、来年4月1日に新会社を設立する。なお統合では、OTCが存続会社としてOPCを吸収合併する。
これにより、営業・技術・製造リソースの融合と最適化による事業基盤強化と事業規模を拡大。技術力と新商品開発スピードの向上、商品ラインアップ強化と設計段階からの一貫受注の拡大により競争力を向上させ、成長が続く国内の高付加価値PCB市場でトップシェアを目指す。
国内PCB市場では、低価格な低層板の需要が減少する一方で、高い技術力が必要で高付加価値な大型・高多層板市場は成長を続けていると云う。
そんなハイエンド型EMS(生産受託)事業を成長分野の1つと位置付けるOKIは、そのキーコンポーネントのひとつであるPCBへの取組みを1965年に開始し、2015年には世界初の102層基板製造を実現。EMS事業成長のためには、PCB事業のさらなる拡大にむけた事業体制の強化が必要と判断し、今回の経営統合に至った。
経営統合する2社のうちOTCは、発熱部品対策を施した高放熱配線板や高屈曲性を有したフレックスリジッド配線板など、特殊な要求にも対応する高い技術力をもち、航空宇宙・通信基地局用途などにおける高品質・短納期・少量多品種対応を特長にPCB事業を展開。
一方のOPCは、高多層積層や高精細穴あけの高い技術と多様なシミュレーション技術により、半導体検査装置・高速伝送装置などに用いられるPCBを生産している。
OKIは、OTCの柔軟な対応力と特殊かつ熟練の技能、そしてOPCが長年培った高い生産技術とシミュレーション力を融合することにより、それぞれの設計・製造技術だけでは難しかった高難度のPCBを実現。新会社では、これを強みに上流である設計段階からの一貫受注を拡大することで、高付加価値PCB市場におけるシェア拡大を目指すとしている。
[合併後新会社の概要]
– 設立:2021年4月1日(予定)
– 商号:OKIサーキットテクノロジー株式会社
– 所在地:山形県鶴岡市宝田一丁目15番68号
– 代表者:未定
– 主な事業内容:
プリント配線板、電子装置および電子部品の開発、設計、製造、販売。
– 資本金:4.8億円(沖電気工業株式会社100%)
– 従業員数:739名