沖電気工業グループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開する沖エンジニアリング(以下、OEG)は、埼玉県本庄市の「カーエレクトロニクス テストラボ(以下、本庄ラボ)」に続く第2の車載電子機器・装置の信頼性試験サービス拠点として、群馬県伊勢崎市に「群馬カーエレクトロニクス テストラボ(以下、群馬ラボ)」を開設し、11月1日から稼働を開始する。
EV化(電動化)により需要が急伸している車載電子機器・装置の長期信頼性試験の受託サービス体制を強化し、対応能力を大幅に増強する。
自動車業界では現在、EV化や自動運転、コネクテッドカー、シェアリングなどへの対応のため、車載電子機器・装置の高度化・高密度化・IoT化が急速に進み、製品の対象試験や規格の多様化も進んでいる。これに伴い、高額な最先端の専用試験装置と、熟練した高度なスキルをもった専門家による試験対応の需要も急増していると云う。
OEGは、2017年に本庄ラボを設立し、車載機器に特化した信頼性試験サービスとして、「ワンストップ車載コネクター信頼性評価」や「スプラッシュウォーター衝撃試験」、「硫黄(S8)ガス腐食試験」などを提供しているが、ECU(エンジンコントロールユニット)などの電子機器の長期信頼性評価の需要増加により、試験設備の稼働が飽和。
そこで今回、円滑に試験サービスを提供すべく、群馬ラボを新設。これにより試験対応能力を上げ、自動車分野の売上高の前年比15%増を目指す。
群馬ラボは、ITの活用により東京都練馬区の本社ラボや本庄ラボなど、遠隔からの試験対象品の状態監視、試験設備の稼働状況や測定データの取得・分析を実現し、少人数で24時間365日運用する「スマートテストラボ」として稼働。
先ず、エンジンの寿命を想定した約3,000時間(約4か月強)の長期信頼性加速試験(温湿度試験/熱衝撃試験)について稼働を開始し、今後3年で、減圧試験、耐候性試験、ガス腐食試験、塩水噴霧試験等、長期信頼性試験を追加していく予定。
また、半導体デバイスの評価・解析を行う本社ラボと連携し、顧客企業の製品の高品質化を支援する。
[群馬カーエレクトロニクス テストラボ概要]
– 所在地:群馬県伊勢崎市境伊与久3344-1(沖電線株式会社 群馬工場内)
– 面積:約379.5㎡
– 主なサービス:車載機器信頼性環境試験
車載電子機器ユニット・車載電子部品の環境試験(振動、高圧水、塵埃、赤外線、紫外線、オゾン、塩水、温湿度、気圧、ガス、二次電池充放電など)への耐性を評価。
※信頼性評価試験、環境試験:https://www.oeg.co.jp/Rel/index.html
– 主な試験設備の仕様:
・大型熱衝撃試験装置:
試験槽内寸:L:0.75m×W:1.2m×H:0.67m 槽内容量:600リットル
温度範囲:-50から150℃
・熱衝撃試験装置:
試験槽内寸:L:0.67m×W:0.65m×H:0.46m 槽内容量:200リットル
温度範囲:-70から200℃
・恒温恒湿槽装置:
試験槽内寸:L:0.8m×W:0.6m×H:0.85m 槽内容量:408リットル
温度範囲:-40から100℃
(今後3年間の設備導入計画)
・減圧試験装置:山岳地帯、海外の高地都市などでの電子部品・装置利用環境をシミュレートした減圧環境下、低圧環境を模擬した試験装置。
・耐候性試験装置:自然環境(太陽光・温度・湿度・降雨などの)に起因する劣化へ対する電子部品・装置の耐性を評価する試験装置。
・ガス試験装置:腐食性ガス環境における電子部品・装置の耐久性を評価する試験装置。
・塩水噴霧試験装置:塩分を含んだ大気環境における電子部品・装置の耐性を評価する試験装置。
[問い合わせ先]
OKIエンジニアリング システム評価事業部
・電話:0495-22-8140
・問い合わせフォーム:https://www.oki.com/cgi-bin/inquiryForm.cgi?p=k196