NVIDIAは2月24日、2021年1月31日に終了した第4四半期の売上高が50億ドルになったことを発表した。
前年同期の31億1,000万ドルから61%増加し、前四半期の47億3,000万ドルから6%増加。ゲーミングおよびデータセンターのプラットフォームは、売上高が四半期および通年の最高記録となった。
米国GAAPに基づく業績では、第4四半期の希薄後1株当たりの利益は、前年同期の1.53ドルから51%増加して過去最高の2.31ドルとなり、前四半期の2.12ドルからは9%の増加となった。非GAAPに基づく希薄後1株当たりの利益は、前年同期の1.89ドルから64%増、前四半期の2.91ドルから7%増の3.10ドル。
2021年会計年度は、売上高が過去最高の166億8,000万ドルで、前年度の109億2000万ドルより53%増。GAAPに基づく希薄後1株当たりの利益は過去最高の6.90ドルで、前年度の4.52ドルから53%増加した。非GAAPに基づく希薄後1株当たりの利益は10.00ドルで、前年度の5.79ドルから73%増加した。
NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン(Jensen Huang)は、次のように述べている。「第4四半期はまたも記録的な四半期となり、NVIDIAのコンピューティング プラットフォームが飛躍した1年の締めくくりとなりました。アクセラレーテッド コン ピューティングにおけるNVIDIAの先駆的な活動により、ゲーミングは世界で最も人気のあるエンターテインメントになり、スーパーコンピューティングはすべての研究者にとって日常的なものとなり、AIはテクノロジの最も重要な勢力となっています。
「GeForce RTX 30 シリーズ GPUは、驚くべき需要の高まりを見せています。NVIDIA RTXによって、ゲーマーはレイトレーシング、DLSSおよびAIを利用するようになり、ゲーマーによる大規模なアップグレードのサイクルが生まれています。 「ユニバーサルなAIデータセンター向けのA100 GPUは、クラウドサービス プロバイダーおよび垂直産業で積極的に導入されつつあります。世界中の数千の企業がNVIDIA AIを活用して、クラウドに接続された製品を生み出し、AIサービスは世界中の大 規模な産業を変容させようとしています。スマートフォンが開発された時と同様の勢いがあらゆる業界で見られます。
「Mellanox は、データセンターの分野におけるNVIDIAの存在感をさらに強めています。また、Armの買収に向けても着実な進展があり、エコシステム全体に、とてつもなくたくさんの新たな機会をもたらすようになるでしょう」
NVIDIAは、第4四半期に9,900万ドルの四半期現金配当を支払い、2021年会計年度としては3億9,500万ドルの現金配当を支払った。2021年3月10日を配当基準日として、2021年3月31日に1株当たり0.16ドルの次回四半期現金配当を支払う予定だとしている。
■ハイライト
前四半期の業績発表以降も、NVIDIAでは以下の分野での進展があった。
– データセンター
・第4四半期売上高は過去最高の19億ドルで、前四半期をわずかに上回り、前年同期からは97%増加。通年の売上高は過去最高となる67億ドルで、124%の増加となった。
・世界の大手OEMメーカーが、機械学習とデータ分析のワークロードについてのテストを受けた、業界唯一のアクセラレーテッドサーバーとなる、NVIDIA A100 Tensor コア GPU搭載NVIDIA- Certified SystemsTM(NVIDIA 認証システム)の第一弾を発表した。
・NVIDIA DGXTM A100システムにおいて、ベアメタルでのGoogle CloudのAthosのサポートを開始し、企業がハイブリッド クラウド インフラストラクチャをより簡単に構築できるようにした。
・コンピューティングに基づいた創薬のためのClara Discoveryの発表によって、ヘルスケアおよびライフサイエンスにAIの活用を可能にするNVIDIA ClaraTMアプリケーションフレームワークの機能を拡張し、数十のトレーニング済みモデル、オープンソースの医療用AIトレーニングフレームワークであるMONAI、およびフェデレーテッドラーニングの機能を提供することにより、業界がデータを共有することなく、モデルの構築における協業を可能にした。
・Amazon Web Servicesとの連携を通じて、AWS MarketplaceにNVIDIA NGCTMソフトウェアハブを設立した。
– ゲーミング
・第4四半期売上高は過去最高の25億ドルで、前四半期から10%増加し、前年同期から67%増加。通年の売上高は過去最高の77億6,000 万ドルで、41%の増加となった。
・ゲーマーおよびクリエイター向けに、NVIDIA GeForce RTXTM 30シリーズLaptop GPUを搭載した、新型ノートPCを70モデル以上発表。このモデル数の多さは、NVIDIA史上最多となっている。
・NVIDIAのもっとも人気のあるゲーミングラインアップである「60」シリーズにGeForce RTX 3060を追加し、GeForce RTX 30シリーズGPUを拡充した。これらの製品の価格は329ドルからで、NVIDIA RTXTM レイトレーシング、NVIDIA DLSS、NVIDIA ReflexおよびNVIDIA Broadcastに対応している。
・NVIDIA RTXをサポートする動きが加速し、現在、『Minecraft』や『フォートナイト』、『サイバーパンク 2077』を含む36の新タイトルでサポートされている。
・『オーバーウォッチ』と『レインボーシックス シージ』がNVIDIA Reflexを採用すると発表した。これにより、この低遅延テクノロジが対戦型シューティングゲームのトップ10のうちの7つのゲームにNVIDIA Reflexが採用されることになった。
・GeForce NOWTMがiOS Safariで利用可能になり、600万人以上のGeForce NOWメンバーがiPhoneまたはiPadのSafariでこのサービスを利用できるようになることを発表した。
– プロフェッショナル ビジュアライゼーション
・第4四半期売上高は3億700万ドルで、前四半期から30%増加し、前年同期から7%減少した。通年の売上高は10億500万ドルで、41%の減少となった。
・3D制作パイプラインのリアルタイムシミュレーションおよびコラボレーションのプラットフォームである、NVIDIA OmniverseTMのオープンベータを公開すると発表した。
– オートモーティブ
・第4四半期売上高は1億4,500万ドルで、前四半期から16%増加し、前年同期から11%減少した。通年の売上高は5億3,600万ドルで、23%の減少となった。
・自律走行テクノロジのNVIDIA DRIVETMが、自動車メーカーのSAICとNio、ロボタクシーメーカーのZooxとキャブレス無人トラックメーカーのEinrideなど、さまざまな次世代電気自動車で活用されていることを発表した。
・NVIDIAのテクノロジが、MBUX Hyperscreenを備えた、Mercedes-Benzの新たなAIコックピットに採用されると発表した。このAIコックピットは、2021年前半にデビューする、完全電動型のMercedes-Benz EQSに搭載される予定。
・LiDARメーカーのBaraja、Hesai、Innoviz、MagnaおよびOusterの新しいソリューションを追加して、NVIDIA DRIVEのセンサーエコシステムを拡大した。
■2022年会計年度第1四半期について(予想)
・売上高は、53億ドル±2%となる見込み。
・売上高総利益率は、GAAPベースが63.8%±0.5%、非GAAPベースが66.0%±0.5%となる見込み。
・営業費用は、GAAPベースが約16億7,000万ドル、非GAAPベースが約12億ドルとなる見込み。
・GAAPベースおよび非GAAPベースのその他の利益および費用は、費用が約5万ドルとなる見込み。
・GAAP税率および非GAAP税率は、ともに10.0%±1%となる見込み(個別項目は除く)。GAAPベースの個別項目は、四半期ベースで変動するとNVIDIAが予想する、株式報酬に関連した税制優遇措置の過不足を含む。
■NVIDA CFOによるコメント
NVIDIA のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高財務責任者(CFO)であるコレット クレス(Colette Kress)による本四半期に関するコメント(英語)
URL:http://investor.nvidia.com/
■カンファレンスコールおよびWebキャスト情報
2021年会計年度第4四半期と2021年会計年度の業績とおよび現在の財務見通しについてのアナリストおよび投資家とのカンファレンスコールは、NVIDIA のインベスターリレーションズ ウェブサイト(http://investor.nvidia.com)でアクセス可能。
■非GAAP財務指標について
NVIDIAでは、GAAPベースの要約連結財務諸表に加え、一部の項目については非GAAPベースの財務指標を使用している。使用している非GAAP財務指標は、非GAAPベースの売上高総利益、非GAAPベースの売上高総利益率、非GAAP ベースの営業費用、非GAAP ベースの営業利益、非GAAPベースのその他の利益(費用)(純額)、非GAAPベースの純利益、非GAAPベースの希薄後1株当たり純利益あるいは利益、ならびにフリーキャッシュフロー。また、現在と過去の財務指標が比較しやすいように、GAAPベースの財務指標と非GAAPベースの財務指標がどのような関係にあるのかも明らかにしている。