144TOPの演算能力を持つ、テスラ社の2チップ型FSDCの比較対象とすべきは、320TOPSの演算能力とAIによる知覚・位置推定と経路計画を可能にする『NVIDIA DRIVE AGX Pegasusコンピューター』であるべきです。
またXavierは、もともと30TOPSの処理能力を持っているのですが、テスラ社は、その処理能力が21TOPSだと誤った声明を出しています。さらに我々の単一のXavierプロセッサを搭載したシステムは、完全自動運転ではなく、運転支援のAutoPilotを想定して設計されています。テスラ社が主張するように自動運転には、それよりはるか高い演算能力が必要となるのです。
そんなテスラ社の発言ですが、昨今の重大な問題に対しては正しい認識を持っているように受け取っています。それは自動運転車が、新しい次元の安全性や効率性、便利さを生み出すために不可欠なものであり、業界の未来であるという点です。
もちろん、そのためには、極めて高い演算性能を持つ車載コンピューターが必要となります。テスラ社は、それが業界の未来にとって重要であると考えており、同社の未来もそこに懸かっています。なぜならこれ如何よって、自らの事業の将来が大きく左右されるからです。他のすべての自動車メーカーも、このレベルの性能を実現しなければならなくなるでしょう。
しかも、このようなAIコンピューティングのパワーを得られるところは今のところエヌビディアとテスラ社しかありません。そして業界が活用できるオープンなプラットフォームを提供しているのは、そのうちの1社しかないのです」と結んでいる。