NTTドコモ(以下「ドコモ」)は4月19日、同社と近畿大学が、屋内と屋外を往来して飛ぶことができるドローンを活用して、大学内を自動巡回する実証実験に成功したと発表した。
近畿大学は、敷地面積が約24万平米(甲子園球場約6個分)のキャンパスを「仮想の都市空間」と見立て、次世代技術の社会実装の場として提供。新技術の実用化に貢献する。
一方、ドコモは、安心して暮らせるサスティナブルな社会の実現に向けて、これまで培ってきたネットワーク・ICT・AI技術やプラットフォームビジネスのノウハウを活用。社会課題の解決とより豊かな社会の実現をめざして、人々に寄り添ったドローンサービスの創出に向け、事業を推進しているという。
この実証は、2021年4月18日(日)に近畿大学東大阪キャンパスのアカデミックシアターで実施した。ドローンは、あらかじめ設定した飛行ルートをもとにドローンポートから自動巡回を行い、搭載したカメラで映像を撮影。撮影したデータは、ドコモのドローンプラットフォーム「docomo sky®」において離れた場所にある複数の拠点で閲覧することで、巡回警備での有用性を確認した。
実証では、GPSが取得しやすい屋外とGPSが取得しづらい屋内の異なる環境間でドローンを飛行させて自動巡回を行った。ドローンに搭載した上下6つの魚眼レンズが捉えた情報をもとに飛行を行うことで、目印などを設置することなく約150cmの狭所な階段の昇降や、柱などの障害物がある場所での自動巡回に成功し、ドローン飛行の安全性が確認できた。周囲の環境に左右されずに安全にドローンを飛行させることが可能になれば、巡回警備をはじめとする幅広いシーンでのドローンの活用が期待できるとしている。
ドローンポートから離陸する様子
この取り組みは2020年11月24日に近畿大学とドコモ、日本電信電話、西日本電信電話、NTTデータが締結した「スマートシティ・スマートキャンパス」創造に関する包括連携協定の一環の活動。
今後も近畿大学とドコモは、実証実験を通し、ドローンを用いた自動巡回警備の本格運用を検討していくとしている。
■実証実験の概要
1.目的
自律飛行型ドローンを用いた自動巡回警備の実用性の検証
2.実証実験日
2021年4月18日(日)
3.実証実験場所
近畿大学キャンパス アカデミックシアター内および周辺
4.実証実験の構成
実証で使用したドローンは、Skydio,Incの「Skydio 2™」およびドローンポート「Skydio Dock™」。今後は、夜間の実証を見据えて「Skydio X2™」の活用も検討。
飛行ルートの設定にはドコモが実証実験用に開発した飛行プログラムを活用し、ドローンで撮影した映像は「docomo sky」を用いて確認した。
5.実証実験の様子
ドローン「Skydio2」
ドローン「Skydio X2」
屋内・屋外を行き来する様子
階段を自動航行する様子
docomo skyで動画を確認している様子
6.飛行ルート
屋内のドローンポートからドローンを飛行させ、屋外、屋内を行き来しながら建物の1階、2階を巡回。折り返し地点から出発地点へ引き返すルートで自動航行を行なった。