NTTデータ ザムテクノロジーズ(XAM)は、製造業向けの高出力金属3Dプリンターの「EOS M 290 1kW」を4月4日から販売する。
EOS M 290 1kWは、金属3Dプリンターの世界シェアNo.1で、かつ受賞歴も持つ製品(2021年度のEnterprise 3D Printer of the Year (Metals) Awardを受賞)で、EOS M290に1kWレーザーを搭載したL-PBF方式の金属3Dプリンターだ。その役割は試作品だけでなく量産品の製造への活用を目的としたもの。
従来、伝導率の高さから純銅での造形は、レーザーで溶融・焼結が困難だったのだが、今回1kWという高出力レーザーを搭載したことで、より高性能で耐久性、市場競争力のある部品の設計や製造が可能になった。
【背景】
EOS M290 1kWは、これまでEOS製3Dプリンターのカスタマイズを専門とするEOSグループのAMCM社が、カスタマイズ機 AMCM M290 1kWとして開発・製造・販売を行っていた。しかし市場での需要が非常に強かったため、この度EOSの標準機としてラインナップした。
【特徴】
EOS M290 1kWは、宇宙、エネルギー、モビリティ/輸送などの幅広い産業での利用に最適なモデル。これらの産業でよく利用される熱交換器やインダクターなど、伝導率の高い銅や銅合金といった従来のレーザー出力では対応が難しい素材の造形に適している。
EOS M290 1kWスペック
造形可能領域(xyz): 250×250×325mm
レーザー出力 : 1kW
レーザー本数 : 1本
生産性:~55.4cm3/h
スキャン速度:~7.0m/s
フォーカス径:~90μm
【今後について】
現時点で認定済みの材料は、EOS Copper CuCpとEOS Copper CuCrZrの2種類。今後2024年の後半を目処に他の材料も追加予定。
NTTデータ ザムテクノロジーズでは、顧客側のご希望材料での造形を叶えるパラメータの受託開発も請け負う。EOSのラインナップにない材料については、相談して欲しいと話している。
また、AMCM社によるカスタマイズ機の中で需要が大きいモデルは、今後EOS標準機となる予定。AMCM社は、個別要望に応じたカスタマイズを行っているため、希望のスペックがある場合も相談して欲しいとしている。