NTNは、インドネシアの自動車市場で需要が拡大する前輪駆動車(FF車)に向けて、FF車に必要な等速ジョイントの供給拡大のため、アストラグループのInti Ganda Perdana(IGP社)と合弁契約を締結し、ジャワ島西部・カラワン地区(KIM工業団地)に、等速ジョイントを製造する合弁会社を設立する。
インドネシアでは各種の環境規制等を背景に、自動車市場においては車軸懸架(リジッドアクスル)方式の後輪駆動車(FR車)から、前輪駆動車(FF車)への生産シフトが加速。
これに伴い、FF車に必要な駆動部品の等速ジョイント(CVJ:Constant Velocity Joints/※)の需要も急拡大が見込まれていると云う。
NTNはこれまで、アセアン・南アジア地域において、その現地生産をタイ・インドで行ってきたが、インドネシアのアストラグループで自動車部品の製造を担うIGP社と、等速ジョイントの現地生産に関する合弁事業を検討。
今回、インドネシア市場における現地生産の必要性と、販売・シェア拡大という双方の目的が一致し、合弁契約を締結。今後、合弁契約に基づく新会社を設立し、来年8月の量産開始を目指して工場を建設する。
NTNは、インドネシア初となる現地生産により、顧客対応の迅速化と納入リードタイムの短縮を実現。インドネシア自動車市場におけるプレゼンスの向上と、等速ジョイントの圧倒的シェア確保を目指して事業展開を進めるとしている。
※等速ジョイントは、自動車のエンジンやモータの駆動力をタイヤになめらかに伝える重要な保安部品。日本では、NTNが初の実用化を行っている。
[合弁契約と新設会社の概要]
– 会社名:PT. Astra NTN Driveshaft Indonesia
– 事業内容:等速ジョイントの製造
– 資本金:1,200億ルピア
– 出資比率:IGP社 51%、NTN 49%
– 所在地:Kawasan Industri Mitrakarawang, Kabupaten Karawang, West Java, Indonesia
– 敷地面積:約18,000㎡
– 延床面積:約8,500㎡
[IGP社の概要]
– 名称:PT. Inti Ganda Perdana
– 所在地:JI. Raya Pegangsaan Dua Block A3 Km 1.6 Kelapa Gading, Jakarta, Indonesia
– 代表者:取締役社長 Mr. Kusharijono
– 事業内容:リアアクスル、プロペラシャフト等、自動車ドライブトレイン部品製造
– 資本金:60百万米ドル
– 設立年月:1982年3月
– 従業員:1,484名(2018年12月末)
■Inti Ganda Perdana HP:http://www.igpgroup.astra.co.id/igp-product.asp