日本特殊陶業(NTK)と三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、昨年7月に固体酸化物形燃料電池(SOFC/*1)の発電要素である円筒セルスタック(*2)の製造・販売を行う合弁会社の設立についての合弁契約を締結し、以降の協議の結果、1月29日に合弁会社「CECYLLS(セシルス)」を設立した。
新会社の資本金は、3億円。出資比率は、NTKが70%、MHPSが30%となっている。
セシルスでは、NTKが保有するセラミックス量産技術を活用し、MHPSの長寿命で熱利用が可能な円筒セルスタックを量産・販売。会社名は、円筒セルスタックの商品名も兼ねており、セラミックス製円筒セルスタックの英語表現“Ceramics Cylindrical Cell Stacks”に由来すると云う。
*1) 固体酸化物形燃料電池(SOFC):SOFCは、空気中の酸素(O2)、都市ガス等を改質して取り出す水素(H2)や一酸化炭素(CO)を利用して発電するもの。発電の重要な部分であるセルスタックは、すべてセラミックスから構成されている。
*2) 円筒セルスタック:高強度のセラミックス製の構造部材である基体管の外表面に、発電反応を行う素子(燃料極/電解質/空気極の積層体)を複数形成し、素子間を電子導電性セラミックスのインターコネクタで直列に接続(円筒横縞形セルスタック)しているため低電流で高電圧の電気出力を効率よく取り出すことが可能。
[セシルスの概要]
– 会社名:CECYLLS株式会社(セシルス)
– 設立時期/事業開始時期:2020年1月29日
– 所在地:愛知県小牧市大字岩崎2808
– 代表者の役職・氏名:代表取締役社長 石田 昇(NTK)
取締役 加藤 三紀彦(NTK)
取締役 長﨑屋 聡(MHPS)
– 事業内容:円筒横縞形セルスタックの製造および販売
– 資本金:3億円
– 出資比率:NTK 70%、MHPS 30%
[会社ロゴについて]
ブルーを用いることで、水素エネルギーを用いたクリーンなエネルギーを想起。右上端部を斜めに切り上げることで、未来を切り開いていくイメージを表現した。シンボルは、セルスタックの断面をモチーフに管内部から外に向けエネルギーが発生していくイメージとなっている。