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2020年11月26日【自動車部品】

ニットクと古河電工、電動車向けモータ用レーザ溶接機を製品化

NEXT MOBILITY編集部

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NITTOKU(以下、ニットク)と古河電気工業(以下、古河電工)は、巻線機で世界トップシェアのニットクのファクトリーオートメーション(FA)ソリューションに、古河電工のレーザ溶接技術および銅材料評価技術を組み合わせた、電動車(以下、xEV)向けモータ用レーザ溶接機を製品化した。

 

同製品は、12月2日~4日開催予定の「Photonix2020」で初公開され、会期中、実機展示および平角線の溶接加工を実演。実演設備では、古河電工の新製品「Blue-IRハイブリッドレーザ」を用いて平角線の配列誤差を計測・補正し最適な位置にレーザを走査し継線(注1)を行うこともできる。

世界の自動車市場で、xEVの需要が急速に高まりつつある現在、その主動力となるモータには、より小型・軽量・高効率化が求められている。また今後、小型・高出力モータにおいては、平角線を用いたモータが主流になる見通しもあると云う。

 

この平角線の継線工法では、主にTIG溶接(注2)が用いられているが、任意箇所を狙って溶融することができず、平角線の配置に高い精度が求められる。

 

一方、レーザ溶接は、非接触であるため画像処理技術との相性も良く任意の箇所を狙った選択的溶融が可能なため、少ない入熱で効率の良い溶接ができる。しかし、材料の純銅は、熱伝導率が高く、ファイバレーザの波長に対する光吸収率が低いことから、入熱制御が難しく、加工時に溶融池やキーホールの形成が安定せずに加工欠陥(スパッタ・ブローホール)が発生するといった課題もある。

 

そこで両社は協業し、ニットクの精密FA技術と、古河電工のレーザ加工・銅材料評価技術を組み合わせることで、従来比10倍の高速サイクルタイムと高品質溶接を実現するxEV向けモータ用レーザ溶接機を製品化。

 

省力化FAシステム、高品質レーザ継線技術、アフターサービスまでをワンストップで提供することで、モータ生産工程の効率化(高速化・工程の簡素化・品質安定化)を実現、持続可能な社会に貢献するとしている。

 

 

加工サンプル写真

 

 

[装置・技術の概要]

 

・ニットクの精密FA技術と古河電工のレーザ加工技術(ビームモード制御技術(注3)・Blue-IRハイブリッドレーザ技術(注4))とを組合せ、溶接工程での品質と生産性向上を両立を可能に。

 

・ニットクは、平角線の金型成型による精密加工に加え、古河電工のレーザ発振器の更なるパフォーマンスを高めるための独自制御技術を使用した生産設備ラインを実現。

 

・古河電工のレーザ溶接技術により、平角線間の高さ・隙間ギャップなどにも対応したモータの継線が可能となり、工程の簡素化を実現。

 

・製品は、2020年12月から、ニットクにて受注開始。またモータ形状、サイズ、加工工程に応じた設備仕様を提案。

 

・海外工場においても、ニットクの海外拠点からメンテナンスを実施しサポート。

 

 

注1)継線:線材同士の接合。

注2)TIG溶接:電気を用いたアーク溶接方法の一種で、電極と母材間に高電圧を加え、高電流を流すことで起こるアーク放電によって生じる熱を利用して溶接。鉄やアルミ、銅などあらゆる金属の溶接に適応されている。

注3)ビームモード制御技術:ビームモード変換素子を用いてレーザのビーム形状を制御する技術。レーザ照射部の溶融池を安定化させることで、溶融金属の飛散や内部欠陥の防止などレーザ溶接の高品質化を実現可能。

注4)Blue-IRハイブリッドレーザ:銅への吸収性が良い青色レーザ(波長:465nm)と深い溶け込みが得られる近赤外レーザ(波長:1070nm)を組み合わせたレーザ。青色レーザの光吸収特性により安定した入熱制御が可能になり、高速・高品質を両立した銅の溶接が可能。

 

 

[Photonix2020出展について]

 

– 会期:12月2日(水)~4日(金)
– 会場:幕張メッセ 1ホール、ブース#2-26(古河電工ブース)

実演設備は、古河電工の新製品であるBlue-IRハイブリッドレーザと、ニットクの画像処理システムを備え、平角線の配列誤差を計測・補正、最適な位置にレーザを走査し溶接を行うことができる。また、当日は他にも、古河電工のファイバレーザを用いた加工ソリューションも併せて展示される。

 

 

■Photonix2020:https://www.photonix-expo.jp/ja-jp.html
■NITTOKU:https://nittoku.co.jp/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。