日産自動車は12月21日、自社ビジネスの中核に据えている車両電動化の推進にあたり、必要不可欠な電動パワートレインの需要拡大に応えて行くため、電動パワートレインの設計及び開発業務を一部、ジヤトコ( 本社:静岡県富士市、社長:佐藤 朋由 )に移管・拡大させて電動パワートレインの開発能力を強化していく策を決めた。( 坂上 賢治 )
そもそも日産自動車は2021年11月の「Nissan Ambition 2030」で、来たる2030年度迄に電気自動車15車種を含む23車種の新型電動車の投入を決めており、これによりグローバル環境での電動車のモデルミックスを50パーセント以上へ拡大する計画を発表済みだ。
そこでこれを踏まえ、自社内に於ける電動パワートレインの設計開発業務が大きく増大している中、自社グループ企業であるジヤトコに、その関連業務の委託する範囲を広げ、今後は日産グループとして総力を挙げて商品開発力の強化を進めていく構え。
こうした電動パワートレインの設計や開発業務の一部を、ジヤトコへと広げていくにあたり、日産自動車で関係会社管理部及びグローバル資産管理担当専務執行役員である秦 孝之氏は、「日産自動車の電動化戦略に於いて、電動パワートレインの軽量化と効率化が不可欠であり、ジヤトコの貢献に大いに期待しています。日産とジヤトコは、引き続き連携を推進して参ります」と話している。
一方でジヤトコは、電動パワートレインに関する技術を向上し、これまで培ってきたAT、CVTユニットの開発、生産、車両インテグレーション技術と合わせて、より競争力の高い電動パワートレインユニットを提供するべく設計及び開発の体制を強化する。
具体的にはその一環としてジヤトコは、新たに電動パワートレインの実験業務を担う座間開発センター( 神奈川県座間市 )を開所させている。
また電動パワートレインの開発体制を強化するにあたりジヤトコの竹本 幸一開発担当副社長は、「今後も進む自動車の電動化に伴い、電動パワートレインの需要のさらなる拡大が期待されます。
ジヤトコは電動パワートレインの開発能力を向上し、従来のAT、CVT製品で培ったギアトレインの技術と組み合わせる事で、電動パワートレインに於いても高い競争力を持った製品を開発し、日産自動車の電動化戦略の推進に貢献して参ります」と結んでいる。