日産自動車は5月17日、今年度より新型車と現行車を含めたすべての車両で、〝グリーンアルミニウム〟または〝リサイクルアルミニウム〟を使用する低CO2アルミニウム製部品の採用を進め、「2030年までにアルミニウム部品の全量を低CO2アルミニウム製部品に置き換えることを目指す」と宣言した(*1)。
グリーンアルミニウムは、非化石由来の電力で製錬されたもので、地金製造時のCO2排出量を約50%(*2)削減可能。また、リサイクルアルミニウムに於いては、CO2排出量を約95%(*2)削減できると云う。
日産ではこれまで、神戸製鋼所とUACJから国内生産車両のパネル用に低CO2アルミ板材を調達してきたが、今後はグローバルで、加工済みの部品を含めた全てのアルミニウム部品に低CO2アルミニウムを採用することで、より一層のCO2排出量削減を進める。
この低CO2アルミニウムへの置き換えは、新型車については2027年度以降に生産を開始する全車で実施。また現行車については、今年度より日本・米国・欧州に於いて低CO2アルミニウム製の「ホイール」、「サスペンション部品」、「アクスル部品」、「ハーネス」などの調達を順次開始し、2024年度末時点で、同地域で調達するアルミニウム部品で使用される新規採掘アルミニウムの約20%に適用させる予定。
同社では、2050年までにクルマのライフサイクル全体(*3)でのカーボンニュートラル実現を目指しているが、〝車両重量の約10%を占めるアルミニウムを全て低CO2アルミニウムに置き換える〟という今回の取り組みが、その実現に向けた重要なステップになると考えていると云う。
*1:少量のアルミニウムを使用している部品は対象外。
*2:火力発電由来の電力を使用して製錬したアルミニウム原料比。
*3:クルマのライフサイクルには、原材料の採掘から、生産、クルマの使用、使用済み自動車のリサイクルや再利用までを含む。
日産は、サステナビリティを事業の中核に据え、よりクリーンで安全、インクルーシブな世界を目指し、あらゆるビジネスの側面で常にサステナビリティを優先。今後もサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速していくとしている。