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2021年2月13日【イベント】

日産/ニスモ、2021年のモータースポーツ活動概要を発表

NEXT MOBILITY編集部

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日産自動車およびニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは2月13日、2021年のモータースポーツ活動概要を発表した。

 

日産/ニスモは2021年のモータースポーツ活動に、FIAフォーミュラE世界選手権及びSUPER GTを二本柱として取り組みむ。また、カスタマーレーシング活動として、NISSAN GT-R NISMO GT3や日産車、日産エンジンでモータースポーツ活動を行うチームを引き続き支援するとしている。

「日産/ニスモはモータースポーツ活動を通じて、電動化や次世代パワートレイン技術をはじめとする、将来に向けた技術開発を継続していきます」とニスモ社長でCEOの片桐 隆夫は述べた。「私たちは、いかなるときにも決してあきらめることなく、常に勝利を目指してチャレンジしていきます。未だ新型コロナウィルス感染症の影響を見通すことはできませんが、例年以上に国内外のファンの皆様がワクワクするレースをお見せできるよう、今シーズンも様々なカテゴリーに全力で取り組みます」

 

 

 

 

 

1. FIAフォーミュラE世界選手権

日産は、チームランキング2位を獲得した昨シーズンに続き、ABB FIAフォーミュラE世界選手権(シーズン7)に参戦する。参戦3年目を迎えるシーズン7は、2月26日にサウジアラビアのディルイーヤで開幕する予定。高性能EVであるフォーミュラEは、EVの普及を目指す日産にとって、とても重要な取り組みの一つだ。

 

グローバルモータースポーツダイレクターのトマソ ヴォルペは次のように述べている。「3年連続でフォーミュラEに参戦し、私たちの技術とパフォーマンス、そしてEVを運転することの楽しさをお見せできることを楽しみにしています。昨年は大変いい結果を残すことが出来ました。シーズン7ではタイトル争いの有力候補になりたいと思っています」そしてトマソ ヴォルペはこう続けた。「日産は古くからEVを開発し続けてきました。EV開発がDNAの一部となっている日産にとって、メーカーやお客さまからの注目が高まっているこのような素晴らしいEVレースシリーズに参戦することは当然のことであり、その姿をお客さまにお見せできることを誇りに感じています」

 

日産e.damsフォーミュラEチームの監督は、オリビエ ドリオとグレゴリー ドリオが務める。そしてチームドライバーとして3シーズン目を迎えるセバスチャン ブエミは引き続き23号車を、チームメイトのオリバー ローランドは22号車をドライブする。

 

今シーズン、日産はフォーミュラEのレースカーに、日産の最新かつ最も有名なEVのロードカーにちなんで、23号車を「日産アリア」、22号車を「日産リーフ」と名付けた。

 

日産e.damsのパートナーであるシェル、リシャール・ミル、LEMO、CFIに加えて、今シーズンよりデュポンが新しいパートナーに加わった。デュポン・セイフティ社のグローバル・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのジョン リチャードは次のように述べている。「ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、最先端の技術を使い高効率な電動パワートレイン技術を磨き上げる絶好の場であるとともに、チームのパフォーマンスと安全性を披露する素晴らしい機会です。」また、デュポンのアドバンストソリューション担当バイスプレジデントであるティナ ウーはこう述べている。「デュポンは、安全性、軽量化、持続可能性、効率性を中心としたソリューションを提供することで、OEMやサプライヤーと共に様々な分野において自動車の進化に貢献できると考えています。日産e.damsとの技術提携は、成長を続ける電気自動車市場が必要とするイノベーションと技術的進歩を継続的に開発することを可能とし、そして乗用車向けのソリューションをいち早く実現することに貢献することでしょう」

 

2. SUPER GT GT500クラス

日産/ニスモは、2021年仕様のNISSAN GT-R NISMO GT500を開発し、SUPER GT GT500クラスに参戦するチームに技術支援を行う。各チームの体制及び車両名は以下のとおり。

 

【SUPER GT GT500クラス チーム体制】
No.23 NISMO
監督:鈴木 豊、車両名:MOTUL AUTECH GT-R、ドライバー:松田 次生・ロニー クインタレッリ(伊)、タイヤメーカー:ミシュラン
No.3 NDDP RACING with B-MAX
監督:田中 利和、車両名:CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、ドライバー:平手 晃平・千代 勝正、タイヤメーカー:ミシュラン
No.12 TEAM IMPUL
監督:星野 一義、車両名:カルソニック IMPUL GT-R、ドライバー:平峰 一貴・松下 信治、タイヤメーカー:ブリヂストン
No.24 KONDO RACING
監督:近藤 真彦、車両名:リアライズコーポレーション ADVAN GT-R、ドライバー:高星 明誠・佐々木 大樹、タイヤメーカー:ヨコハマ

 

4チームをまとめる総監督は、ニスモCOOの松村 基宏が引き続き務める。また、ミハエル クルムがエグゼクティブアドバイザーとしてチーム及びドライバーの支援を行う。

 

【2021年仕様車両】
昨年導入されたClass 1規則において、2021年は車両の空力領域等が開発凍結となったため、開発が可能なエリアで各部品の軽量化や信頼性の確保を重視した車両開発を行っている。シリンダーヘッド周りを中心とした改良を施すことでエンジンの熱効率と出力を向上させ、その特性を最大限引き出すために実車で制御データの適合を最適化して運転性も改善した。また、タイヤ毎により詳細なセットアップチューニングを行うことで、競争力をさらに向上させている。

 

3. カスタマーレーシングプログラム

1) カスタマーレーシング – GT3 プログラム
ニスモはFIA GT3規定のNISSAN GT-R NISMO GT3で参戦するチームの支援を引き続き行う。

 

– SUPER GT GT300クラス
今シーズンも5台のNISSAN GT-R NISMO GT3がSUPER GT GT300クラスに出場。GT3オフィシャルパートナーチームのGAINERから2台、同KONDO RACINGから1台のNISSAN GT-R NISMO GT3がエントリーする。また、NILZZ Racing、RUNUPが参戦する。
日産自動車とKONDO RACINGは、レース活動を通じた人財育成プログラム「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」を今シーズンも引き続き実施する。日産・自動車大学校の学生や販売会社のテクニカルスタッフが参加するこのプログラムは、2011年にスーパー耐久シリーズへのチャレンジからスタート。2019年からは、GT300クラスに活動の場を移し、2年目となる2020年には、年間チャンピオンとなった。プログラムのスタートから10周年となる2021年は、ディフェンディングチャンピオンとして、チーム一丸となって更なるチャレンジに向け取り組んでいく。

 

No.10 GAINER
監督:藤井 一三、車両名:GAINER TANAX with IMPUL GT-R、ドライバー:星野 一樹・石川 京侍、タイヤメーカー:ダンロップ
No.11 GAINER
監督:藤井 一三、車両名:GAINER TANAX GT-R、ドライバー:平中 克幸・安田 裕信、タイヤメーカー:ダンロップ
No.56 KONDO RACING
監督:近藤 真彦、車両名:リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、ドライバー:藤波 清斗・ジョアオ パオロ デ オリベイラ(ブラジル)、タイヤメーカー:ヨコハマ

 

– スーパー耐久シリーズ
スーパー耐久シリーズでは、ST-XクラスにMP Racing及びDAISHIN/GTNETからそれぞれ1台のNISSAN GT-R NISMO GT3が出場する予定。ニスモは今年も技術支援を行う。なお、ST-3クラスには、OKABEJIDOSHA motorsportとMax Racing からFAIRLADY Z NISMO RCが出場を予定している。

 

2) カスタマーレーシング – エンジンサプライプログラム
日産/ニスモは、2020年シーズンから導入されたLMP3規則に対応したVK56エンジンをオレカ社を通じて供給し、技術支援を行う。同エンジンは、欧州ではヨーロピアン・ルマン・シリーズ、ミシュラン・ルマン・カップ、アルティメイト・カップ・シリーズ、北米ではデイトナ24時間レースを含むIMSAウェザーテックスポーツカー選手権、IMSAプロトタイプチャレンジ、そして今シーズンはUAEで集中開催されるアジアン・ルマン・シリーズなど、世界各地で開催される全てのLMP3クラスのレースに出場するチームに供給される。

 

4. その他の活動

– 日産セントラ・カップ:セントラによるワンメイクレースがカナダで5月から開催される。
– ニスモドライビングアカデミー:ロードカーユーザーとモータースポーツとをつなぐ活動として、NISMOロードカーやNISSAN GT-R、フェアレディZのユーザーを対象としたドライビングレッスンを本年度も実施。ミハエル クルムが校長、ニスモ契約ドライバーが講師を務める本活動は、日本各地のサーキットで開催を予定している。
– NISMO Festival:23回目の開催となるファン感謝イベント「NISMO Festival」。2021年も富士スピードウェイで開催を予定している。(日程は決定次第発表)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。