日産自動車は2月17日、米国のキャントン工場に総額5億ドルの投資を行い、2025年から新型の電気自動車(EV)2車種を生産すると発表した。
キャントン工場は、2003年の操業開始以来、累計約500万台の自動車を製造。現在、「アルティマ」、「フロンティア」、「タイタン」、「タイタンXD」の4モデルを生産している。
今回日産は、このキャントン工場を、米国に於けるEV生産の中心拠点とすべく、総額5億ドルを投資。最新のEV生産技術の導入や、約2,000名の従業員のスキル向上等により、2025年に新型EV 2車種の生産を開始する予定だ。
この投資は、2030年までに日産・インフィニティの両ブランドで15車種のEVを含む23車種の電動車をグローバルに展開する「Nissan Ambition 2030」に基づくもので、州政府、郡政府、地方自治体との強力なパートナーシップにより支えられているとのこと。なお、これまで日産が米国内の生産工場全体に投資した135億ドルの内、40億ドルが、同工場への投資となる(今回の発表分を含む)。
今回の発表に際して、日産COOのアシュワニ・グプタ氏は、以下のように話している。
「今回の発表は、米国でEVシフトを加速させるために行う投資の第一弾となるものです。日産はキャントン工場の将来のために積極的な投資を行い、最新の技術を投入し、従業員にトレーニングの機会を提供することで、トップレベルのEVを生産します」。
また、投資パートナーとなるミシシッピ州の知事、テイト・リーブス氏は、以下のように話している。
「日産は、ミシシッピ州の自動車産業の礎です。同州の人々は、キャントン工場を開設してから約20年にわたり、グローバルな自動車メーカーである日産のクルマを生産し続けています。今回、日産が同工場でEVとバッテリーパックを生産すると決定したことで、ミシシッピ州は再びグローバルな注目を集めることになります。そして、同工場で働く従業員は誇りを持って仕事に取り組み、永続的な成功を目指すことができます。ミシシッピ州のチームは、最高レベルの品質のEVを生産する準備ができています」。
日産は、電動化と生産技術のさらなる革新を追求することで、2050年までにグローバルな事業活動と製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げおり、その一環として、2030年までに米国で同社が販売する40%の自動車をEVとすることを目指している。
※)Nissan Ambition 2030:「ワクワクする電動車両と革新的な技術をユーザーに提供する」を理念に、環境問題や社会課題、自動車ユーザーのニーズを考慮しながら、モビリティの可能性を拡げ、その先にある、よりクリーンで安全でインクルーシブな世界の実現を目指すという日産の長期ビジョン。